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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.2 No.2 Summer 1997

集中治療室患者における中心静脈または動脈カテーテルの菌の定着と、感染を予防するための2つの消毒剤のプロスペクティブな無作為試験

Mimoz,O.,Pieroni,L.,Lawrence,C.,Edouard,A.,Costa,Y.,Samii,K.and Brun-Buisson,C.
Prospective, randomized trial of two antiseptic solutions for prevention of central venous or arterial catheter colonization and infection in intensive care unit patients.
Crit.Care Med.,24:1818-1823,1996.

カテーテルを介する感染は重大な合併症を惹起する。カテーテルの菌の定着は挿入部位から始まると考えられている。そこで、効果的な消毒剤の選択がカテーテル感染を防ぐための最も重要な手段の一つとなる。ポビドンヨードはin vitroでクロルヘキシジンに比べ殺菌力が強く、第一選択の消毒剤と考えられているが、最近、2%グルコン酸クロルヘキシジン液が10%ポビドンヨードや70%アルコールよりカテーテル感染予防に有効であったとの報告がなされた。そこで、集中治療室入院患者で中心静脈または動脈カテーテルが必要な患者162人を対象に、カテーテル挿入時から抜去時までの消毒剤として、0.25%グルコン酸クロルヘキシジン・0.025%塩化ベンザルコニウム・4%ベンジルアルコール含有消毒剤使用群(合剤使用群)と10%ポビドンヨード(PVP-I)使用群の2群に分け、16ヶ月間にわたり、カテーテル感染に対する予防効果をプロスペクティブに調査した。

カテーテルが不要になったとき、カテーテル感染が疑われたとき、動脈カテーテル使用7日後、中心静脈カテーテル使用15日後に、カテーテルを抜去し、先端を培養した。カテーテル挿入1,000日当たりのカテーテルからの細菌検出率は、合剤使用群(n=170)で10%PVP-I使用群(n=145)より有意に低かった(12対31)。また、カテーテルに関連した敗血症の割合も、合剤使用群で10%PVP-I使用群に比べて有意に低かった(6対16)。塩化ベンザルコニウムはクロルヘキシジンの殺菌力を増強することが報告されており、クロルヘキシジンと塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコールは、相乗作用があることが報告されている。この0.25%グルコン酸クロルヘキシジン・0.025%塩化ベンザルコニウム・4%ベンジルアルコール含有消毒剤の効果はグラム陽性菌による感染を、より有効に防止することに起因するものと考えられた。(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.2 No.2 p8-10 Summer 1997

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