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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.2 No.2 Summer 1997

保健医療従事者の業務上の感染症:パート2

Sepkowitz,K.A.
Occupationally Acquired Infection in Health Care Workers.Part Ⅱ.
Ann.Intern.Med.,125:917-928,1996.

保健医療従事者は、通常の業務中に様々な感染症に感染する危険性が高い。業務中に空気を介して感染する疾患との関連については、パート1で述べた。今回は血液に起因する感染、口-便経路を介する感染、接触感染について論評し、さらに感染制御のための手指消毒、ワクチン接種、患者隔離といった問題についても論ずる。資料の収集は1983年1月から1996年2月までに発表された英文論文と、保健医療従事者の間で業務中に感染した感染症に関する発表要旨を、メドライン検索、感染疾病調査及び感染制御雑誌から行った。

まず、血液感染はHIV、HBV、HCV、CMV、エボラウイルス、ウイルス性出血熱、ヘルペスウイルスなどのBウイルス等がある。業務中のHIV感染は、49名の保健医療従事者で確認され、HBVに関しては、保健医療従事者の5~10%に慢性HBV感染症が出現していると報告されている。また、HCVによる業務中の感染は、全てのC型肝炎症例の約2%ともいわれている。さらに、エボラウイルス感染症は、ザイールで発症し、78%の高い死亡率で、296人中約90人(30%)は保健医療従事者であると報告されている。

次に、口-便経路の感染症としては、サルモネラ、HAV、赤痢、スポリジウム症、ヘリコバクター・ピロリ等があげられ、これらは食品を介した感染である。また、接触感染では、単純ヘルペスウイルス、サルコプテス、スカビエイ等があげられるが、患者と直接接触する保健医療従事者の36.8%がHCVの感染を受けている。業務中の感染防止は、感染制御の3原則である手洗い、ワクチン接種、感染患者の迅速な隔離であるといわれている。医療従事者の手洗い率は、50%以下との報告や、ワクチン接種についても保健医療従事者の23%がHBVワクチンを受けていないとされている。空気を介する感染を含む隔離予防措置、血液を介する感染については、ユニバーサルプレコーポレーションが重要となっている。(訳:白石正)

Carlisle Vol.2 No.2 p8-10 Summer 1997

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