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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
1998/07/31

汚染された非経口投薬に関連する新生児室における臨床的敗血症と死亡 ブラジル 1996年

CDC. MMWR July 17, 1998 / Vol. 47 / No. 29 p610
Clinical Sepsis and Death in a Newborn Nursery Associated with Contaminated Parenteral Medications – Brazil, 1996より要旨邦訳
ftp://ftp.cdc.gov/pub/Publications/mmwr/wk/mm4729.pdf

1996年10月、ブラジルの26床のある新生児室において、35名の新生児が死亡した。この死亡率はベースラインから有意に高い値であり、その内20例で敗血症が死因と診断された。致命的な敗血症は生後24ないし72時間に発症した。ブラジル当局により感染管理の改善が行われたが、発熱や敗血症が引き続き発生したため、ブラジル当局はCDCに調査協力を依頼した。

コホート・スタディーにより、末梢静脈挿入と非経口投薬が発熱のリスク要因であることが強く示唆され、また6月よりも10月において非経口投薬が高い発熱率に関連していた。発熱後2日以内に血液培養の行われた14例のうち菌陽性例は1例のみであった。使用していた未開封の市販製輸液の細菌およびエンドトキシン汚染を調査したところ、細菌は検出されなかったが、蒸留水とブドウ糖液にUSP基準を越える高度のエンドトキシン汚染が発見された。電子顕微鏡により細菌の残骸と思われるものが観察された。

<訳註>
本件は不適切な輸液製造工程管理により、製造中の輸液中でグラム陰性菌が増殖し、エンドトキシンを発生したものと推測されます。グラム陰性菌は蒸留水中でも増殖する場合が多く、メーカーにおいてはもちろん病棟においても注意が必要です。当該メーカー(ブラジル企業)の工場は閉鎖されましたが、組織だった全国的な製品の回収は行われず、同様の医療事故がブラジル各地で報告されたとのことです。CDCは本件を例に取り、個々の病院レベルでの早期発見も、全国的な拡散を防ぐために重要な場合があるとしています。
MMWR:1998.07.31/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 1998.08.01

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