Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 海外の感染対策情報 (各機関週報より) > アメリカ(CDC-MMWRより) > 1998 > 新しい結核ワクチンの開発
US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
1998/08/21

新しい結核ワクチンの開発

CDC. MMWR Recommendations and Reports August 21, 1998 / Vol. 47 / No. RR-13
Development of New Vaccines for Tuberculosisの要旨
ftp://ftp.cdc.gov/pub/Publications/mmwr/rr/rr4713.pdf

結核は地球的に重大な公衆衛生上の問題である。WHOによれば、結核菌は成人に死亡をもたらす病原体の中で現在も最大のものであり、世界銀行は発展途上国における成人の回避可能な死亡の25%以上が結核病によるものであるとしている。

既存の診断・治療・予防法の普及によっても結核の漸進的な減少を達成することができるであろう。しかし、WHOの提唱する「短期化学療法による直接監視下治療(Directly Observed Treatment, Short-course:DOTS)」は、広範で複雑な実施システムを必要とするため、なかなか普及していない。

BCGは発展途上国における小児結核の予防策として普及・継続して行くであろうが、その有効性には疑問があり、また結核感染のツベルクリン判定を不可能にしてしまうことにより、米国に於いて広範な使用が推薦されたことは一度も無い。

結核の撲滅のためには新しいワクチンが必要である。最近の技術的な進歩は新しいワクチンを開発するための基礎を提供している。

既に、幾つかの新ワクチン候補が開発され、動物実験が進行している。今後数年の内には治験が行われるに違いない。CDCのACTE(結核撲滅勧告会議)は、これらの開発が、関係する政府機関(NIH/FDA/CDC/USAID)、製薬企業、国際機関(WHO)などの間で、協調的・協力的・継続的に行われるべきであることを勧告する。

<訳註>

日本の結核予防法に基づくBCG接種の位置づけは、米国と大きく異なります。BCG接種を行うとツベルクリン反応が陽性となり、真の結核流行時の判定手段を失うというのが米国の考え方のようですが、小児期における重篤な結核病の予防に効果があることはCDCも認めています。やはり各国の社会・経済的な事情により国家的なBCG計画のありかたも異なるべきであると思われます。

日本における結核対策については、1998年7月3日「緊急に取り組むべき結核対策について(提言)」 公衆衛生審議会結核予防部会http://www.mhw.go.jp/search/docj/shingi/s9807/s0703-3.htmlが参考になります。

MMWR:1998.08.21b/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 1998.08.22

関連サイト