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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.3 No.4 Winter 1999

5分間のポビドンヨード洗浄法と1分間のポビドンヨード洗浄後のアルコール擦拭法の殺菌効果の比較

Deshmukh, COL N., Kjellberg, CRT S. I. & Kramer, J. W.
A Comparison of 5-Minute Povidone-Iodine Scrub and 1-Minute Povidone-Iodine Scrub followed by Alcohol Foam.
Military Med., 163(3):145-147, 1998.

手術時の手洗い法は、用いる消毒剤や消毒・洗浄時間は施設によって異なるが、ほぼ5~10分間のブラシを用いた洗浄法が一般的である。われわれは過去8年間、手術時手洗いに、1分間のポビドンヨード(PVP-I)洗浄後、アルコールによる擦拭法を行い、創部感染の増加は呈しないことを経験している。そこで、これまでの5分間PVP-Iによる洗浄後の殺菌効果と、われわれの方法を比較する目的で、28人の健常人を3群に分け、手術用PVP-I液10mLを掌に取り、手と前腕を5分間擦り洗いし、流水で洗い流した後、手袋は2重で着用した5分間群(n=12)と、もう一群(1分間群、n=12)はPVP-I液10mLで1分間擦り洗いし、流水で洗い流した後、手と前腕をアルコール(62%)で擦拭し、手袋を二重にして手術に臨んだ。残る4人(対照群)はPVP-I液は用いず、15分間手袋を着用した。細菌コロニー検査(CFU)は、1時間、2時間後に手袋を外し、finger-impresion法で指の3指をIuria broth普通寒天培地に押しつけ、24時間、48時間の培養後のコニロー数を測定した。1時間の結果は、1分間群のCFU総数は10(平均:0.83)、5分間洗浄群のCFU総数は18(平均:1.5)(p=0.59)、2時間後では1分間群のCFU総数は18(平均:1.5)、5分間群は44(平均:4.0)(p=0.33)、また、対照群であるPVP-I非洗浄群のCFU総数は172(平均:43)と多かった。また、1分間群は、5分間群に比し、CFU数は有意ではないが減少していた。以上、1分間のPVP-I液での洗浄とアルコールの併用は、殺菌効果の持続性、手術開始時間の短縮、水利用量の節約、消毒液に接触する時間などの健康管理、経費節減の面から、特に野外の軍部などでの応用の際にも有用と考える。(訳:仲川義人)

Carlisle Vol.3 No.4 p8-10 Winter 1999

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