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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.1 Spring 1999

血液透析関連の器具に起因する血流感染アウトブレイク

Arnow, P.M et al.
An Outbreak of Bloodstream Infections Arising from Hemodialysis Equipment.
The J. Inf. Dis., 178:783-791, 1998.

血液透析センターは、患者の血流に環境微生物が進入する危険をはらんだ臨床現場である。

大学附属の2つの慢性期透析センターで、8カ月間に16種類の病原菌に起因する29例の血流感染が頻発した。そこで、原因を特定するために、診療録による疫学的調査と透析器の各部分の細菌培養を実施した。

29例の感染例のうち、21例が平均7.3±3.3日入院して抗菌薬治療を受けていた。また、29例中27例にシャントが造設されており、いずれもカフ付のダブルルーメンカテーテルが用いられていたが、そのうち23例が血流感染のためにカテーテルを抜去されていた。

非感染患者と比較した疫学調査の結果、汚染された透析器で治療を受けたことが、主に関係しているようであった(p=0.07)。さらに、ロジスティック回帰分析からは、血管内にカテーテルを留置していること(p=0.001、OR=22.6、95%CI=5.2-99.9)、月曜日、水曜日、金曜日に治療を受けていること(p=0.008、OR=3.7、95%CI=1.4-9.5)が感染リスクとして示された。

培養結果からは、最近導入された市販の附属部品において、血流病原体が増殖していることが明らかになった。アウトブレイクは、この細菌汚染される附属部品へ対処することで終息した。今回の調査によって、この部品で病原菌が増殖し、血流感染が引き起こされるということと、血液透析機器の設計や使用方法において、微生物学的な配慮の重要性が軽視されているということが示唆された。

(訳:西岡みどり)

Carlisle Vol.4 No.1 p8-10 Spring 1999

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