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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.2 Summer 1999

医学生の体液曝露について:7年間の縦断調査より

Osborn,E.H.S. et al.
Occupational exposures to body fluids among medical students a seven-year longitudinal study.
Ann.Intern.Med.,130:45-51,1999.

医学生は血液に曝露される危険が高いことが推測されるが、その実態については判っていない。

そこで本研究では医学生への感染性体液曝露の頻度を測定し、その発生に影響する要因を特定するとともに、そのような曝露を予防するための対策を示唆することを目的とした。

カリフォルニア大学附属病院にて、1990年から1996年にカリフォルニア大学医学部の3年または4年次に在籍する学生を対象に、曝露記録のレビューを実施した。

調査に先立ってカリフォルニア大学附属病院で、針刺しホットライン・サービスを開始し、学生には3年次の実習開始前にユニバーサル・プリコーションと臨床技術についての必修コースを設けて研修を実施した。

調査項目は曝露のタイプ、実習の場所、実習のローテーション、学年などを含み、針刺しホットライン・サービスの曝露記録より調査した。

1,022名の学生のうち119名に血液曝露の経験があった。これらの曝露のうち82%は4つの科、すなわち産婦人科、外科、内科、救急部で発生していた。曝露の危険については、卒業年度、実習ローテーション、以前の実習経験、実習場所との間に関連はみられなかった。調査の開始時と終了時に大学院に在籍していた学生を比較した結果、7年間の調査期間中に曝露報告の割合は、45%から65%へと増加していた。フォローアップに限界はあるものの、HIV感染や肝炎ウイルス感染の報告はなかった。

本研究結果より医学研修中の血液曝露を予防するためのユニバーサル・プリコーションや臨床的な手技については、十分に指導されていないことが示された。医学部当局は、学生が臨床処置の安全管理について確実に習熟するよう、もっと責任を持つべきであり、学生が事故を報告して失敗から学ぶことができるような、学生を守るためのシステムを構築するべきである。

(訳:西岡みどり)

Carlisle Vol.4 No.2 p8-10 Summer 1999

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