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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.4 No.4 Winter 2000

感染制御施策法によるバンコマイシン耐性腸球菌伝播抑制の違い

Montecalvo, M. A. et al.
Infection-control measures reduce transmission of Vancomycin-resistant Enterococci in an endemic setting.
Ann. Intern. Med., 131:269―282, 1999.

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)はアメリカ全土に広がり、重要な院内感染の原因菌となっている。米国防疫センター(CDC)は抗菌剤の使用制限とともに感染制御法の強化を推奨している。そこで、成人腫瘍入院患者を対象に、標準的infection-control法(標準IC法)(1993年11月~1994年7月)と強化 infection-control法(強化IC法)(1994年7月~1995年7月)の有効性をprospectiveに比較した。標準IC法では、患者接触前後の手洗い、VRE患者の隔離、VRE患者と直後接触時のガウンと手袋装着、発熱持続患者に対する感染症専門家による助言。強化IC法では、その他に、VRE患者とVRE保菌不明患者病室へ入室時のガウンと手袋装着、感染が最初に疑われた時点での感染症専門家の助言、経験的バンコマイシン使用の中止とclostridium difficile 大腸炎にはメトロニダゾ-ルを経口投与するといった感染症専門家による系統だった推奨、VRE不明患者の隔離、パンフレットによる患者教育、コンプライアンスのモニター、VRE患者退室前後の環境の培養と消毒を行った。

強化IC法を用いた259人でVRE獲得患者は212人(82%)であり、標準IC法では167人中160人(96%)であった。VRE菌血症発症率は、強化IC法では入院1000日当たり0.45人であり、標準IC法の2.1人と比し、有意に減少していた。また、VRE定着率も、強化IC法では入院1000日当たり10.3人で、標準IC法の20.7人に比べ、有意に減少していた。また、VRE陽性患者退室後、病室の消毒により、環境表面のVREの割合は8%となり、患者在室時の26.9%に比べ、有意に減少していた。強化IC法の期間は、VCM、IPM/CS、CAZ、CPFX、AZT、GMの使用は有意に減少し、クリンダマイシンの使用は有意に増加した。VREが発現しやすい腫瘍患者において、強化IC法はVREの伝播を抑制することが判明した。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.4 No.4 p8-10 Winter 2000

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