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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.5 No.4 Winter 2001

研修医の教育は血管内留置カテーテル関連感染のリスクを減少する

Sherertz, R.J., Ely, E.W. Westbrook, D.M., et al.
Education of physicians-in-training can decrease the risk for vascular catheter infection.
Ann. Intern. Med., 132:641-648, 2000.

米国で毎年カテーテル関連感染が推定5万~10万件あり、このうちの90%が中心静脈カテーテルに起因する。医療費は感染1件推定2万9千ドルである。カテーテル関連感染のリスクを少なくするため数々の予防手段がとられているが、現在、感染を最小限に抑える最善の方法は明確ではない。
 1993年感染制御委員会で、中心静脈カテーテル挿入時には高度無菌バリアプレコーションの使用を決定したが、研修医のコンプライアンスは20%以下であった。そこで、研修1年後の研修医と専門3年の医学生を対象に、感染制御法の講義と実務研修を組み合わせた感染制御1日コースを1996年6月と 1997年6月に計6回グループ毎に実施した。血管内カテーテルからの採血、血ガス測定に必要な動脈穿刺、動脈および中心静脈カテーテルの挿入、導尿カテーテルの挿入、腰椎穿刺、末梢静脈カテーテルの挿入、静脈切開術などをそれぞれ簡単な講義のあと実務研修した。研修教育の前と後での大きな無菌ドレープの使用調査および血管内留置カテーテル関連感染の調査を実施した。
 その結果、研修前には大きな無菌ドレープ使用の必要性を認識していたのは22%であったが、研修6ヵ月後では73%に増加し、逆に、挿入部での小さな無菌タオルの必要性の認識は減少した(p<0.001)。大きな無菌ドレープの使用は44%から65%と増加した(p<0.001)。血管内留置カテーテル関連感染は研修前の1,000patient-daysあたり4.51件から最初の研修より18ヵ月後で2.92件まで減少した。平均減少は 1,000patient-daysあたり3.23件で、28%の感染の減少は、推定少なくとも6万3千ドル、最大80万ドルのコスト効果が考えられる。
 研修医の教育により感染制御方法を統一することは、感染率が低下しコストベネフィットが得られる方法である。

(訳:中田栄子)

Carlisle Vol.5 No.4 p8-10 Winter 2001

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