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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.6 No.2 Summer 2001

カナダの病院勤務者の結核感染に及ぼす病院の換気法と危険性

Menzies, D., et al., Canadian Collaborative Group in Nosocomial Trans-mission of TB
Hospital ventilation and risk for tuberculous infection in canadian health workers.
Ann. Intern. Med., 133:779-789, 2000.

病院勤務者における結核感染の危険性と決定要因は未だ解明されていない。そこで、病院勤務者のツベルクリン反応陽転と病室の換気との関係を調査した。 カナダの4つの市(モントリオール、トロント、アルベルタ、バンクーバー)の17救急病院(活動性結核患者が年6人以上来院する中等度から高度危険性の15 病院と年2人以下が来院する低度危険性の2病院)において、呼吸療法または物理療法従事者、救急部、集中治療部、呼吸器病棟等に従事する看護婦、助手、用務員、事務員等を対象に調査を行った。また、病室の1時間当たりの換気率をtracer gas techniqueを用いて測定した。

対象者のうち雇用時にツベルクリンテストが陰性であった1,289人中、ツベルクリン陽転者は238人(18%)であった。隔離されていない一般病室で働く従事者において、1時間当たり2回以下しか換気を行っていない病室勤務者では、1時間当たり2回以上換気を行っている病室勤務者より、ツベルクリン陽転の危険率は3.4倍高かった。中等度から高度危険性病院勤務者では、低度危険性病院勤務者に比べて陽転危険率は2.2倍であった。また、職種別では患者と接しない従業者に比較して、看護婦で陽転危険率は4.3倍、呼吸療法従事者は6.1倍、物理療法従事者は3.3倍であった。また、ツベルクリン陽転は業務内容、勤務年数などに強い関連性が認められたが、隔離室での不適切な換気とは相関しなかった。

一般病室では1時間あたり少なくとも2回以上の換気を行い、職員には定期的にツベルクリンテストを行い、医師は患者の結核感染が疑われた場合には迅速に隔離するようにすべきである。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.6 No.2 p7-9 Summer 2001

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