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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.6 No.4 Winter 2002

米国小児病院における新生児および小児集中治療室の院内感染発生率

Stover, B. H., Shulman, S. T., Bratcher, D. F., et al.
Nosocomial infection rates in US children’s hospitals’ neonatal and pediatric intensive care units.
Am. J. Infect. Control, 29(3):152-157, 2001.

院内感染は疾病率・死亡率を高め、入院期間の延長、医療費の増加につながるため注意すべき合併症である。小児および新生児集中治療室は免疫が未熟な患者が多いため院内感染の危険率が高い。米国小児病院におけるNICUまたはPICUの院内感染の実態を把握し、それを減少する介入方法を明らかにするため PPN(Pediatric Prevention Network)が設置された。1998年に50の小児病院を対象に1997年のNICUとPICUの院内感染発生率について調査をし、43病院より質疑調査を回収した。

NICU院内感染発生率について19病院のデータが、またPICU院内感染発生率については20病院のデータが比較検討に適していた。延べ1,000患者日数に対する全体の院内感染発生率の中央値はNICUで8.9、PICUで13.9であった。延べ1,000 device日数に対するPICU院内感染発生率の中央値は、血流感染が6.5、ventilator関連肺炎が3.7、尿路感染が5.4であった。 NICUおよびPICUの院内感染発生率は病院間でかなりの差がみられた。たとえば、NICUのdevice関連血流感染の発生率は、16病院間で、体重 1,000g以下のグループで延べ1,000device日数につき0から26.5、NICUのventilator関連肺炎の発生率は、12病院間で、体重1,001~1,500gのグループで延べ1,000device日数につき0から34.5とかなりの差があった。PICUにおいても同様に幅広い差がみられた。NICU、PICUにおける院内感染に関する今回の報告では、全体の院内感染発生率の報告と、血流感染または肺炎など特殊な感染を中心にした報告とがあり、device関連感染発生率の分析も延べ患者日数を基準とする報告や延べdevice日数を基準とする報告とが混在していた。

今回の調査結果より、病院間の院内感染発生率を有効に比較できる検討項目の基準が統一されていないため、今後小児病院における最良の院内感染の調査方法を決めることが必要であると示唆された。

(訳:中田栄子)

Carlisle Vol.6 No.4 p8-10 Winter 2002

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