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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.1 Spring 2002

適切な抗生物質使用法の促進:CDC(Centers for Disease Control and Prevention)の見解

David, M. B.
Promoting appropriate antimicrobial drug use : Perspective from the Centers for Disease Control and Prevention.
CID, 33(Suppl 3): S245-250, 2001.

適切な使用法により、抗生物質の有効期間を延ばすこと-つまり毒性や耐性菌の発生を最小限にしつつ治療目的の効果を最大化すること-は抗生物質による耐性菌の徴候が現れるのを抑制し、制御するために重要な要素の一つである。1999年にCDC(Centers for Disease Control and Prevention)、FDA(Food and Drug Administration)、NIH(National Institutes of Health)が中心となり、日常の医療活動の中で、抗生物質の使用に伴う耐性菌の発生を抑制しようとする活動が始められた。この活動は、サーベイランス、予防と対策、研究、そして薬品開発の4つのセクションからなっている。

ここでは、予防と対策のセクションに含まれる、適切な抗生物質使用法の促進について述べる。
主要な抗生物質使用法の典型例(パラダイム)として、外来患者の急性感染症、入院患者の急性感染症、慢性感染症、および農業/家畜に対する抗生物質の使用の4つに場合分けすることにより、典型的な抗生物質を使用するにあたっての治療の進め方、考え方などを提案している。薬の使用法や、より適切な使用法を促進しようとする努力に影響を及ぼす因子は、それぞれのパラダイムによって異なり、これらを示すことにより、医師等が抗生物質を使用する際の助けになるものと考えられる。

たとえば、外来患者の急性感染での治療で大切なことは、抗生物質の効果の期待できない呼吸器疾患の患者、たとえば感冒、気管支炎などウィルス感染が病因となることが多い疾患への抗生物質の処方を減らすことである。実際に、外来患者の急性呼吸器感染症において、診療所の医師に対しビデオやポスター等を配付し、疾患管理教育等の介入、そして患者に対して患者用教材の配付等の介入を行った結果、抗生物質の使用量が治療効果に支障なく抑制できたとするデータが示されており、このような介入が、適切な薬の処方を促進するのに有効であることを示唆している。

近年の耐性菌の増加は警戒すべきであるが、悲観的になる必要はなく、処方の適正化と耐性菌の蔓延を抑制することは成し得ることであり、次の挑戦は、これらの介入を、医療トレーニングにルーチンに組み込むことにより、より多くの人々に広げていくことである。

(訳:山本仁美)

Carlisle Vol.7 No.1 p11-12 Spring 2002

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