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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.1 Spring 2002

エビデンスに基づくガイドラインの勧告水準に関する新システム

Harbour, R., Miller, J.
A new system for grading recommendations in evidence based guidelines.
BMJ, 323 : 334-336, 2001.

最近まで、ガイドライン勧告システムは、米国保健管理局(Agency for Healthcare Research and Quality)で行われてきたが、その後、欠点が指摘された。すなわち、多施設での医学的無作為比較対照試験は実質的、倫理的に行われていない。エビデンス(根拠)の総合的判断が対応していない。利用者はガイドラインのランク付けシステムを理解していないことなどであった。

そこで、1998年スコットランド大学連合ガイドラインネットワーク(SIGN)が再調査を行った。その主な目的は、1)根拠の信頼性と勧告のグレード化を関連付けるシステムの開発。2)グレード化は方法論の質、量、一貫性、根拠の評価。3)根拠の信頼性と勧告のランク付けとの関連を明らかとするため利用者とガイドライン開発者が認める方法である。これまでの欠点を補強するため、SIGNは、方法論の評価、根拠の統合、考慮された判定、グレード化、の4つをキーステージとした。研究タイプは保健政策局で用いた大規模・無作為比較試験のメタ分析、無作為比較試験、無作為介入試験、観察研究、非実験的研究、専門家の意見の6項目とした。

SIGNガイドラインの根拠に基づいた臨床評価は、チェックリストを基本に再調査し、方法論と実際の使用のバランスをグレード化した。新しいチェックリストは大規模調査、無作為比較試験、コホートおよびケースコントロールとした。個々の研究に対する質の評価を++、+、-の3群に分け、根拠のレベルとして 1++、1+、1-、ケースコントロールまたはコホート研究として2++、2+、2-、3はケースレポートやケース系統の非分析研究、4は専門家の意見とした。これらを根拠のテーブルに載せ、判定を考慮して勧告のグレードをA、B、C、Dの4つに区分した。この新システムでグレードAは比較的まれで、グレードBは多くの領域で強く勧告されるものであると考える。今後の実際的評価が待たれる。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.7 No.1 p11-12 Winter 2002

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