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UK Update
イギリス(HPA-HPRより)
2002/05/30

病院におけるノーウォーク様ウイルス感染の集団発生

PHLS. CDR Weekly May 30, 2002; 12:22.
Outbreak of Norwalk-like virus infection in a London hospitalの要旨
http://www.hpa.org.uk/cdr/PDFfiles/2002/cdr2202.pdf
ノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like virus: NLV)感染の集団発生がロンドンのある総合病院より報告された。5月21日4例が発見された後、毎日10-15例が発生、結局老人病棟からICUまで13病棟より80名以上の患者と70名以上の医療従事者が影響を受けた。症状は24-48時間継続する比較的軽度の下痢と嘔吐であった。NLVは初期の3例において電顕で確認された。
事故対策チームが結成され、影響を受けた病棟への新規入院の停止、救急部門の一時閉鎖がおこなわれた。
<訳註>
NLVは小型球形ウイルス(small round structured viruses: SRSV)とも呼ばれますが、一般には生カキなどによる食中毒性胃腸炎の原因ウイルスとして知られています。給食など共通の食物により集団感染が発生することがありますが、糞便-(手指)-経口経路によりヒトからヒトへ2次感染する場合もあり、国内でも病院において2次感染の集団発生が報告されています。したがって病院においては給食管理に加え院内における接触伝播の予防が必要です。通常の予防策は排泄物に対する標準予防策ですが、下痢や嘔吐などの症状に注意し、NLV感染の疑われる患者については失禁などによる周囲汚染の可能性に対して接触予防策を行います。NLVはエンベロープを有しないウイルスで消毒薬抵抗性が強いと思われるので、NLV患者の吐物や糞便で汚染された器具などの消毒には熱水(80℃10分)または次亜塩素酸ナトリウム(1,000-5,000ppm)を用います。患者接触後の手洗いは流水によることを基本とし仕上げとして速乾性消毒薬を用います。
<参考>

  1. CDC: “Norwalk-Like Viruses” Public Health Consequences and Outbreak Management. MMWR 2001;50(RR09):1-18.
    http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5009a1.htm
  2. Chadwick PR, et al: Management of hospital outbreaks of gastro-enteritis due to small round structured viruses. J Hosp Infect 2000;45:1-10.
    http://www.phls.org.uk/advice/Hospital_SRSV.pdf
  3. 感染症情報センター:ウイルス性胃腸炎集団発生、1997.10~1999.9.IASR 1999;20(11).
    http://idsc.nih.go.jp/iasr/20/237/tpc237-j.html
  4. 和佐野ちなみほか:市内の社会福祉施設におけるNLV集団感染事例と有症者入院先の病院におけるNLV集団感染事例-福岡市.IASR 2002;23(11):120-121.
    http://idsc.nih.go.jp/iasr/23/267/kj2673.html
  5. 大久保憲監修.消毒薬テキスト.吉田製薬株式会社.
    IV-5-2) ウイルス-その他のウイルス
    IV-8-5)-(2) 4類感染症-ウイルス
CDR Weekly: 2002.05.30/Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2002.06.03

関連サイト