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UK Update
イギリス(HPA-HPRより)
2002/09/19

腎透析・臓器移植病棟における実務ガイドライン

PHLS. CDR Weekly September 19,2002; 12:31.
New guidelines for renal dialysis/tranplantation unitsの要旨
http://www.hpa.org.uk/cdr/PDFfiles/2002/cdr3802.pdf

英国健康省は「腎透析・臓器移植病棟における実務ガイドライン:血中ウイルス感染の予防と制圧」を発行した。これは1972年に発行されたローゼンハイム勧告に替わるもので、PHLSの諮問グループが作成した。その骨子は以下の通りであるが、ユニバーサルプリコーションの重要性が結論として強調されている。

  • 透析患者、臓器移植患者、および関係医療従事者のHBV免疫化
  • 患者の同意に基づく定期的なHBs抗原、HIV抗体、HCV抗体検査(HCV抗体陰性の免疫不全患者、腎移植患者などの場合はHCV DNA検査)
  • 腎病棟における恒常的なリスク評価と感染対策の定期的見直しと厳密な感染対策の実施
  • HBV、HCV、HIV伝播発生の場合の緊急体制
  • HBV感染患者専用の透析機器と専用区域、HCV感染患者の区域分け(HIV感染患者については各医療機関でリスク評価)

1996年におけるPHLS調査では、HBV免疫化とHCV、HIV検査について不十分な医療機関が散見された。

<訳註>
このガイドライン1)は米国における透析ガイドライン2)とおおむね同様の事項を勧告していますが、米国においては定期的なHIV検査の必要は無いとされています。一般に血中ウイルス検査の必要性やキャリアーにおける厳密な予防策は米国よりも英国において重視されていますが、これには米国においてHIVキャリアーに対する人権的な配慮が重視されているという背景があると思われます。いずれの場合においても、検査結果にかかわらず、すべての血液に感染性があるとみなして常に行う標準予防策の励行が最も重要とされています。
<参考>

  1. PHLS:Department of Health: Good Practice Guidelines for Renal Dialysis/Transplantation Units Prevention and Control of Blood-borne Virus Infection. 2002.
    http://www.doh.gov.uk/cmo/renalguide/dialtransplant.pdf
  2. 矢野邦夫訳.慢性血液透析患者における感染予防のためのCDCガイドライン.メディカ出版,大阪,2001.
    http://www.yoshida-pharm.com/library/cdc/guideline/hemodi.html
CDR Weekly: 2002.09.19/Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2002.09.24

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