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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
2002/12/13

汚染された薬局製剤ステロイド注射剤によるExophiala属感染

December 13, 2002 Vol. Vol. 51 No.49
CDC: Exophiala Infection from Contaminated Injectable Steroids Prepared by
a Compounding Pharmacy — United States, July–November 2002.MMWR 2002;51:1109-1112.の要旨
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/wk/mm5149.pdf

米国において、特殊な患者の必要に応えるため、または薬剤が市販されていない場合、薬剤師が薬剤を調製して投薬する。2002年9月、外来ペインクリニックで硬膜外注射を受けた患者における、まれにしか見られない真菌による髄膜炎の2例がノースキャロライナ衛生当局に報告された。この報告は、製剤薬局で調製された薬剤の汚染に関連する真菌感染5例について記述する。不適切に調製された薬剤が、硬膜外または関節内注射後の患者における感染の原因のひとつとなる可能性を、臨床家は考慮する必要がある。

2002年7~11月、ノースキャロライナで5例のExophiala dermatitidisによる髄膜炎例が発生し、それにより1例が死亡した。5例のすべてがある製剤薬局で調製されたステロイド注射剤の投与を受けていた。この製剤薬局を実地調査したところ、オートクレーブの稼動不良、オートクレーブ操作手順書の欠如、無菌試験またはそれに代わるインディケーターによるチェックの欠如、不適切なクリーンルーム運営実務が判明した。また未開封の調製済みステロイド注射剤からE. dermatitidisが検出された。

<訳註>

E. dermatitidisは糸状菌で土壌に存在しますが、ヒトに感染をもたらすことはまれです。この製剤薬局は複数の医療機関に自家調製済み薬剤を供給していました。そのこと自体は米国において合法的に行うことが可能ですが、この薬局は無菌性保証体制においてガイドライン基準1)を満たしていませんでした。病院内・薬局内製剤のみならず、再使用医療器械の無菌性についても、質保証のための体制を確立することが求められています2)

1) American Society of Health-System Pharmacists: ASHP guidelines on quality assurance for pharmacy-prepared sterile products. Am J Health Sys Pharm 2000;57:1150-1169.
2) 日本医科器械学会:医療現場における滅菌保証のガイドライン2000.医科器械学 2000;70:293-302.

MMWR:2002.12.13/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2002.12.16

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