Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染起因菌 > バンコマイシン 耐性菌 > ガウン着用の是非:バンコマイシン耐性腸球菌の獲得に及ぼす影響
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.7 No.4 Winter 2003

ガウン着用の是非:バンコマイシン耐性腸球菌の獲得に及ぼす影響

Puzniak, L. A.,Leet, T., Mayfield, J., et al.
The effect on acquisition of vancomycin-resistant enterococci.
C. I. D., 35, 18-25, 2002.

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の水平伝播を予防するために、ガウンおよび手袋の使用が推奨される。本研究はガウンおよび手袋の使用が集中治療室(MICU)におけるVREの伝播に対して、手袋だけの場合よりも、より大きな防御効果を与えるかどうかに照準を合わせ、実施した。

セントルイスにあるベッド数1,287床の終末ケア施設であるBarnes-Jewish病院の19ベッドのMICUを対象に、1997年7月1日から1998年6月30日まで、および1999年7月1日から1999年12月31日まで、医療従事者および訪問者(家族等)が院内感染起因菌に感染している患者が入っているMICUへの入室の際、手袋およびガウンを着用することを義務付けた。なお、1998年7月1日から 1999年6月30日までは、上記と同じ環境のもとでガウンは着用せず手袋のみを着用させた。

30ヵ月間MICUに入っていた延べ2,631人の患者を研究対象としたが、24時間以内のMICU入室患者である748 人(28.4%)および病院に入院後にVREが定着した185人の患者(7.0%)などは今回の分析から除外し、最終的には1,684人の患者のデータを分析した。得られたデータはロジスティク(記号論理的な)回帰分析により解析ならびに評価した。

ガウンの着用期間で、59人の患者がVRE(1,000 MICU患者日当たり9.1例)を獲得し、そして、ガウンの未着用期間では73人の患者がVREを獲得した(1,000 MICU患者日当たり19.6例、危険率1%未満で有意)。調整した危険性の評価より、高いVREの定着を伴うMICUにおいては、ガウンの着用はVRE の獲得(伝播)減少の点で、より有効であることが示唆された。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.7 No.4 p8-11 Winter 2003

関連サイト