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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
2003/01/24

ノロウイルス感染の発生状況-合衆国、2002年

January 24, 2003 Vol. 52 No.3
CDC: Norovirus Activity — United States, 2002.MMWR 2003;52:41-45.の要旨
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/wk/mm5203.pdf

2002年6月~12月にかけて、米国に入港する巡洋客船における急性胃腸炎集団発生の増加が報告されている。それに加えて、2002年10月以来、幾つかの州においてノロウイルスによると思われる急性胃腸炎の集団発生が、特に老人ホームなどの施設において増加している。

各地の衛生当局が調査した範囲では、以下のことが判明している。ワシントン州南西部では11月~12月に、6長期療養施設、1病院、1外来診療所、1刑務所において354名の患者が集団発生した。平均病状期間は49時間であるが、4長期療養施設における集団感染収束までの平均期間は12日間であり、ヒトからヒトへの伝播も発生したことが示唆される。ニューハンプシャー州では、2002年に29長期療養施設、2レストラン、2学校、2夏期休暇施設において 2,312名の患者が集団発生したが、この内28長期療養施設での集団感染は11月~12月に集中している。ニューヨーク市では2002年11月6 日~2003年1月13日までに、51の老人ホーム、長期療養施設、リハビリテーション施設と10病院、3レストラン、1ホームレス救援所、1学校において集団感染が発生し、約1,700名が影響を受けた。
CDCが検査した37の集団感染起因ウイルスの内、27はノロウイルスと同定され、その内11は同じ株(genogroup II, cluster 4、以前はファーミントン・ヒルズ株)であることが判明した。

<訳註>

ノロウイルス(Norovirus)は以前、ノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like viruses)または小型球形ウイルス(small round structured viruses)と呼ばれていました。主に生カキによる食中毒の原因ウイルスとして注目されていますが、少量のウイルスでも感染を成立させ、また環境においても比較的安定であるため、その他の食物や飲料水を介した伝播の可能性もあり、また患者の吐物・糞便などへの直接・間接接触を経由した経口摂取により伝播する可能性もあります。国内外で老人ホームや病院などの施設における居住者・職員、患者・医療従事者の2次感染がたびたび報告されています。今回の報告はレストランよりもむしろ福祉・医療施設における集団発生を数多く報告しています。病院感染におけるノロウイルスの伝播予防策は、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなど糞便-経口経路により伝播するウイルスと同様です。それらについては以下のページをご覧下さい。

UK UPDATE: 病院におけるノーウォーク様ウイルス感染の集団発生. 2002.05.30
Y’s Letter No5: E型肝炎ウイルスについて. 2002.08.05

MMWR:2003.01.24/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2003.01.27

関連サイト