Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 海外の感染対策情報 (各機関週報より) > 世界保健機構(WHO-WERより) > 2003 > 中国、香港、ベトナムにおける急性呼吸器症候群
WHO Update
世界保健機構(WHO-WERより)
2003/03/14

中国、香港、ベトナムにおける急性呼吸器症候群

WER March 14, 2003 No.11 Vol.78
WHO: Acute respiratory syndrome, China, Hong Kong Special
Administrative Region of China, and Viet Nam.の要旨
2003年2月中旬より、WHOは各国当局と共同して中国広東省、香港、ベトナムにおいて発生した重篤な肺炎の集団発生について調査している。
ベトナムでの集団発生は、上海および香港からハノイに到着したある旅行者が、到着直後原因不明の急性呼吸器症候群により入院したことに端を発する。およそ20名の関連した医療従事者が同様のインフルエンザ様症状を呈し、その数例が両側肺炎を発症し重篤状態となっている。
香港のある病院では3月11日までに、23名の医療従事者が有熱性疾患に罹り、そのうち8例がX線検査において肺炎の兆候を示している。またこの病院の他に3名の医療従事者が有熱性疾患により受診し、そのうち2例がX線検査において肺炎の兆候を示している。
中国広東省では、2月中旬までに305例の非定型肺炎が発生し、そのうち5例が死亡した。死亡例のうち2例からChlamydia pneumoniae感染が発見された。
これまでのところ、ハノイと香港における集団発生、および香港におけるA(H5N1)型インフルエンザの集団発生の間の関連は認められていない。日本と米国のWHO協力機関により調査が継続されている。さらに原因が判明するまでは、これらの集団発生と関連するかもしれない非定型肺炎症例についてはバリアー防護策を用いて看護することを推奨する。また、疑わしい症例については各国の衛生当局に報告することも推奨する。
<訳註>03.03.18更新

これらの症候群は、重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome: SARS)と呼ばれるようになりました。SARSの原因は不明ですが、3月17日のWHO発表では1)、香港、ベトナム、シンガポール、カナダで国内伝播例が発生し、スイス、ドイツ、タイにも患者が存在し、計167例の患者と4例の死亡が報告されているとのことです。3月16日、WHOは病院におけるSARS伝播予防策として、空気予防策、飛沫予防策、接触予防策の適用からなる厳密な病院感染対策を発表しました2)。ただし、SARSの感染力はインフルエンザよりも弱いというWHOの担当者コメントも伝えられています3)。SARSの疑われる症例を受け入れた医療機関は報告をするよう厚生労働省が呼びかけています4)

1)WHO: Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS) – multi-country outbreak – Update 2. March 17, 2003.
http://www.who.int/csr/don/2003_03_17/en/

2)WHO: Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS) – multi-country outbreak – Update . March 16, 2003.
http://www.who.int/csr/don/2003_03_16/en/

3)共同通信ニュース,2003年3月18日.
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KHP&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2003031801000024

4)厚生労働省発表,2003年3月18日.
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1.html

WER: 2003.03.14 / Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2003.03.18

関連サイト