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WHO Update
世界保健機構(WHO-WERより)
2003/10/17

不適切な配管システムによるSARS伝播の可能性

WER October 17, 2003, Vol.78, No.42
Inadequate plumbing systems probably contributed to SARS transmission
http://www.who.int/wer/2003/en/wer7842.pdf
2003年9月、WHOの専門家チームは香港の居住ビルで発生したSARS拡散の原因はおそらく不適切な配管工事によるものと結論した。下水管の不備による感染症の拡散は他の国においても発生している。香港でのSARS流行においては以前より糞便飛沫経路が主な伝播様式のひとつではないかと疑われており、強い上昇気流の中にある下水管、トラップの不良、水シールの機能不全を経由して多くのウイルスを含む排泄物の飛沫が居住環境に侵入していた。建築物の設計上、下水管を居住環境と分離することは容易であり、多くの国において既に実施されている。
<訳註>
SARSの伝播経路は主に飛沫感染であり、時に接触感染ですが、ホテルや集合住宅での集団発生が存在することから空気感染の可能性も疑われてきました。今回の報告により、集合住宅での集団発生は、あまり現代的でない下水配管設備から生じた糞便飛沫が主な原因と推定されました。したがって、単に室内の空気を共有することだけによる感染伝播、つまり典型的な空気感染の可能性は否定されつつあり、SARS症例の陰圧個室隔離や医療従事者のN95マスク着用の必要性について医学的な根拠は薄れつつあると思われます。なお、病院の呼吸器系装置で気道分泌物をエアロゾル化する恐れのあるものについては注意が喚起されています。詳しくはY’s Letter No.18を参照ください。
WER: 2003.10.17 / Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2003.10.20

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