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Dispatch
感染症対策速報
2004/06/14

CDC隔離予防策ガイドラインの改訂草案

CDCは2004年6月14日、「病院における隔離予防策のためのガイドライン 1996(Guideline for isolation precautions in hospitals, 1996)」を改訂するための「医療現場における感染性物質伝播予防のための隔離予防策ガイドライン草案 2004(Draft Guideline for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings 2004)」をWebsite(http://www.cdc.gov/ncidod/hip/isoguide.htm)に公表しました。
これは、あくまでも草案であり、大きく変わる可能性を有しており、この草案に準拠した対策を採用したり、この内容を誤解を招くような形で紹介したりしないよう、十分ご注意下さい。

改訂は、外来受診の増加や長期療養施設・在宅医療等の医療施設の多様化、SARS(severe acute respiratory syndrome)・鳥インフルエンザ等の新病原体の出現、遺伝子治療のような技術革新、バイオテロの脅威、造血幹細胞移植患者における防御環境の必要性、多剤耐性微生物(multidrug-resistant organisms: MDROs)の増加等の理由によります。
本草案における予防策の体系は1996年のガイドラインと同様で、「標準予防策(Standard Precautions )」と「感染経路別予防策(Transmission-Based Precautions)」のニ本立てです。なお「感染経路別予防策(Transmission-Based Precautions)」を「拡大予防策(Expanded Precaution)」に、「空気予防策(Airborne  Precautions)」を「空気感染隔離(Airborne Infection Isolation)」に名称変更しています。

この二本立ての予防策についてはそれぞれ新事項として、「標準予防策」には呼吸器感染を初期予防するための「呼吸器衛生/咳エチケット(Respiratory Hygiene/Cough Etiquette)」が追加されています。「拡大予防策」には造血幹細胞移植患者を対象とした「防御環境(Protective Environment)」が追加され、「接触予防策(Contact Precautions)」「飛沫予防策(Droplet Precautions)」「空気感染隔離(Airborne Infection Isolation)」とあわせて4項目の構成になっています。その他多剤耐性の微生物の対策についても追加して記載され、草案全体を通してはCDCガイドラインの「医療現場における手指衛生のためのガイドライン2002(Guideline for Hand Hygiene in Health-Care Settings)」「医療保健施設における環境感染制御のためのガイドライン2003(Guidelines for Environmental Infection Control in Health-Care Facilities)」等との整合性がとられています。

構成はPartI~Vから成っており、PartⅠでは医療現場における病原体(プリオン、SARS、鳥インフルエンザ、サル痘等の新病原体、多剤耐性の微生物、バイオテロも含む)の感染経路の科学的データが、PartⅡでは感染の予防に必要な基本要素が、PartⅢでは医療保健施設感染対策諮問委員会(Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee: HICPAC)の発展させた「標準予防策」と「拡大予防策」が、PartⅣではHICPACの合意した歓告が、PartⅤでは勧告を遵守するためのスタッフの管理が述べられています。
本草案に対する意見の締め切りは2004年8月13日で、提出先はCDCの Division of Healthcare Quality Promotion, ISOGuideです。
なお、この勧告案は暫定草案であるため、これに基づいて実務や方策を変更してはならないと注意が明記されています。

2004.07.06 Yoshida Pharmaceutical Co.,Ltd.

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