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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.9 No.3 Autumn 2004

わが国のSSIサーベイランスの現状

針原 康
(NTT東日本関東病院 手術部長・外科主任医長)

 SSI(手術部位感染、Surgical Site Infection)とは、手術操作を直接加えた部位に発生する術後感染のことで、手術創の感染とともに縫合不全や遺残膿瘍などの腹腔内の感染も含む。

原因菌の由来としては、術中落下細菌や手術スタッフ、手術器械などからの菌が原因となる外因性と、患者自身がすでに持っている皮膚の常在菌や消化管内の細菌叢が原因となる内因性とに分けられるが、後者の内因性の要素が大きいと考えられている。

 いったんSSIが発生すると入院期間が延長し、医療費も増大して、患者の手術治療に対する満足度を著しく損ねることになる。当院の調査でも大腸手術後にSSIが発生すると、術後入院日数が平均で10.7日延長し、医療費が31万円増加することが明らかとなっている(表1)。近年、大学病院などの特定機能病院を中心として包括支払い制度であるDPC(Diagnosis Procedure Combination)が導入されており、病院経営の視点からもSSI発症率を低下させることが重要な課題となっている。

 SSIサーベイランスとはSSIの実態を調査して、その原因を明らかとし、SSI防止のために必要な情報を、SSI防止対策の担当者に報告する活動と定義される。SSIサーベイランスを行ってはじめて具体的なSSI防止対策が立案可能となり、また実施したSSI防止対策はSSIサーベイランスを行うことによって評価される。まさにSSIサーベイランスとはSSI発症率を低下させるための継続的な活動であるといえる。

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Carlisle Vol.9 No.3 p1-3 Autumn 2004

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