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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.9 No.1 Spring 2004

環境表面の清潔および手指洗浄の間での汚染の可能性

Martinez, J.A., Ruthazer, R., Hansjosten, K., et al.
Role of environmental contamination as a risk factor for acquisition of vancomycin-resistant enterococci in patients treated in a medical intensive care unit.
Arch. Intern. Med., 163:1905-1912, 2003.

効果的な手指洗浄(乾燥を含む)は感染制御面で重要である。従来より皮膚表面の細菌数を減少させるための手指洗浄の効果については報告されていたが、重要な要因である環境表面の清潔および手指洗浄操作の間での手指汚染の可能性については十分な研究ならびに定量的に取り扱った報告は認められなかった。本研究では手指洗浄の間に手が触れる可能性がある病棟の手指洗浄場におけるアデノシン3リン酸(ATP)による試験、好気性細菌およびブドウ球菌の検出状況について報告する。

今回の試験はイギリス国内の4つの病院(各病院は互いに250マイル以上離れた都市と田舎を代表する病院)の小児科と外科を対象に実施した。試験した手指が接触する表面は水道の蛇口、手洗い石鹸液容器、ペーパータオルホルダーの出口など、約620箇所であった。得られた結果はKruskal-Wallis試験により、統計的な有意差を検定した。水準点クリーン値を超えた箇所は細菌数の計測よりもATPによる測定の場合で、より高かった。このことから、細菌汚染と相反する、より高濃度の有機物の破片(たとえば皮膚細胞)の存在が示唆されるか、あるいはATP法のほうが定量感度が優れていることが影響しているものと考えられた。

水道の蛇口はペーパータオルホルダーの出口よりも汚染が大きいようであり、好気性細菌およびブドウ球菌数は水準点の値を超えていたが、統計的に有意ではなかった。ペーパータオルホルダーの出口は手指洗浄操作で最終的に触れる場所であると考えられ、全体の約20%が微生物学的水準点の値以上を示し、汚染リスクが存在した。

分離した微生物の多くは、ブドウ球菌であった。汚染は、病院内で頻繁に認められ、乾燥条件下でも菌が十分に生存し、そして最小の感染量で感染を起こす数種類の病原菌の能力により広がるのかも知れない。いずれにしても、今後さらなる研究を実施することにより、交差汚染の接触ルートに関する答え、ならびに本研究で同定された手指が接触する箇所に関連する細菌の移行が解明されるだろう。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.9 No.1 p8-11 Spring 2004

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