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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.10 No.2 Summer 2005

看護仕事における皮膚の保護:手袋とアルコール消毒の推奨

Jungbauer, F., Harst, J., Groothoff, J.W., et al.
Skin protection in nursing work:promoting the use of gloves and hand alcohol.
Contact Dermatitis., 51:135-140, 2004.

職業上の皮膚疾患は、先進国において最も一般的な職業病の一つである。職業的皮膚疾患の主な要因は、高頻度かつ長期にわたる、水、洗剤、手袋の使用による閉塞状態などである。水仕事が多い職業に就いている人は、刺激性接触皮膚疾患に罹患するリスクが高く、看護師もその代表である。

今回、看護師の職業上の皮膚疾患を予防する方策として、1)手に目で見える汚れがない時には、石鹸での手洗いの代わりに手指消毒用のアルコールを使用する、2)患者を清拭する時など手が濡れたり、明らかに汚れたりする場合には手袋を使用する、という2つの推奨方法の有効性について検討した。

健康な被験者39人を対象とし、手袋の着用、石鹸と水による手洗い、手指消毒用のアルコールの使用について、regular modelとして手袋装着の回数が少なく、石鹸と水による手洗いの回数の多い群と、prevention modelとして手袋着用とアルコール消毒の回数が多い群に割り付けた。各群とも手袋は一方の手にのみ装着することとした。週5日間3週間にわたり各群とも規定の回数をこなし、3週間後に手の甲のTEWL(transepidermal water loss;皮膚のバリア機能を示す指標)を測定した。

皮膚炎の初期の徴候である紅斑が現れたため1週間後に各群から1人ずつ脱落し、また各群2人ずつは記録が十分でなかったため除外し、33人を解析に用いた。3週間後のTEWLの変化において、regular model(17人)とprevention model(16人)との間には統計学的な有意差が認められ、prevention modelのほうが有意に皮膚障害が少ないことが認められた。一方、手袋を装着した手と、装着していない手の比較においては、regular modelでは有意差はないものの手袋を装着した手に皮膚障害が多いことが認められ、prevention modelにおいては、両者に全く差は認められなかった。これはregular modelにおいて、手に石鹸が残ったまま手袋装着をし、刺激を増加させた可能性が考えられる。以上の結果より、看護師の仕事において、目で見える汚れがない時のアルコールによる手指消毒、必要時の手袋装着という推奨方法は、皮膚障害を減らすのに有効な方法であることが認められた。

(訳:荻野弘美、木津純子)

Carlisle Vol.10 No.2 p8-11 Summer 2005

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