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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.10 No.2 Summer 2005

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病院内管理における隔離手段:組織的な再評価

Cooper, B.S., Stone, S.P., Kibbler, C.C., et al.
Isolation of measures in the hospital management of methicillin resistant Staphylococcus aureus(MRSA):systematic review of the literature.
British Med. J., 329:533-540, 2004.

病院内患者へのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の定着およびMRSA感染を減少させるための隔離手段の効果を実証ならびに評価するための研究を、公表されている諸論文の組織的な再調査により実施した。調査方法は医学文献データベースであるMedline、生物医学とその関連分野の学術雑誌のデータベースであるEmbase、看護関連分野の健康、生物医学およびヘルスケアの専門家の情報源であるCINAHL、ヨーロッパの灰色文献(grey literature)の情報組織であるSIGLEおよび引用リスト(1966年-2000年)を使用し、実施した。再調査は上記の各データベースよりMRSAに関係する報告およびMRSAに対する隔離対策が述べられている記事を選択し実施した。隔離病棟またはコホート看護(集団看護)を使用した研究においては、それらの論文の質的内容の差異にかかわらず全てを採用した。もし、他の研究が回顧的データを計画的に比較することを予測または比較するために使用された場合は、それらの研究データも再調査対象に含めた。

各データベースより、合計46の研究データを採用した。その内訳は18件が隔離病棟を使用したもの、9件がコホート看護に関するもの、また、19件が他の隔離対策を使用したものであった。

大部分の報告は、計画された正式な予測研究を行わず、時系列的研究ではなかった。1例を除いて全ては複数の介在を報告していた。交絡要因の可能性を考慮すること、バイアス(偏見)を阻止する手段および適切な統計分析が大部分の報告で欠けていた。全研究報告のうちの1/3は結論が述べられていなかった。その他の報告では、MRSAの獲得の減少が述べられていた。

公表された研究における主要な方法論的弱点および公表されている不適切な報告では、介在することによるMRSAの獲得の減少効果をうまく説明できなかった。 隔離手段の役割を単独で評価できる十分に計画された研究はなかった。しかし、隔離を含めた協力による努力は風土性の環境でも、MRSAを減少させることが立証された。最後に、現行の隔離手段は研究手法が確立されるまで、適用を続けるべきである。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.10 No.2 p8-11 Summer 2005

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