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Guideline
CDC ガイドライン
2005/11/20

結核の医療現場における伝播予防のためのガイドライン (2005)

CDC:Guidelines for Preventing the Transmission of Mycobacterium tuberculosis in Health-Care Settings, 2005. MMWR 2005; 54(RR-17):1-141.
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5417.pdf
<注釈>

本ガイドラインは、結核の病院施設における伝播予防のためのガイドライン(1994)を改訂したものです。米国における最近10年間の結核の疫学的な変化や科学的な理解の進歩、医療技術の変化によりガイドラインが見直され改訂に至りました。

1994年のガイドラインからの変更点は以下の通りです。

  1. リスク評価のプロセスに感染制御に関する評価を追加
  2. ツベルクリン反応の用語を(purified protein derivative:PPD)から(tuberculin skin tests:TSTs)へ変更
  3. 医療従事者の結核スクーリニングに、ツベルクリン反応の代替検査法として簡潔に一回で測定可能な全血インターフェロンγアッセイQuanti FERON®-TB Goldでの検査法を推奨
  4. 医療施設における結核スクーリニングの実施頻度の減少及び実施基準の変更
  5. ガイドラインの対象を病室、救急部、ICU、手術室等以外の検査室やOutpatient Setting(結核外来診療所、一般外来診療所、刑務所内診療所、歯科医院等)やnon-traditional facility-based settings(救急医療サービス、訪問ケア施設、長期療養施設、ホームレス保護施設等)まで拡大
  6. 結核に感染した医療従事者の連続検査の基準をさらに明確化
  7. 勧告は通常、一現場というより医療現場全体に適用
  8. 空気予防策(airborne precautions)から空気感染予防策(airborne infection precautions)へ用語を変更し、新用語である空気感染隔離室(airborne infection isolation room:AII room)について紹介
  9. 呼吸器防護器具ついて年一回の教育、被雇用者に呼吸器防護器具を最初に支給するときのフィットテストの実施、定期的な呼吸器防護器具のフィットテストの実施を推奨
  10. 呼吸器防護器具のフィットテストの必要性のエビデンスを要約
  11. 紫外線殺菌(ultraviolet germicidal irradiation:UVGI)と空気の再循環について詳細に記述
  12. 多剤耐性結核菌とHIV感染を考慮した情報をさらに追加

その他、本ガイドラインには器具や環境についても記述しています。器具の消毒と滅菌は結核以外の場合と同様に、器具の使用目的によって決定し、また環境については空気感染隔離室(airborne infection isolation room:AII room)であっても他の部屋と同様に通常の清掃をするように推奨しています。


結核空気感染予防策の適用、空気感染隔離室(airborne infection isolation room:AII room)への隔離と必要数(概略)

  1. 結核空気感染予防策の適用
    結核の症状あるいは兆候がみられる、または、結核と診断されて治療が完全に終了していない患者に対して適用
  2. 空気感染隔離室(AII room)への隔離について
    • 肺、気道または咽頭結核の疑いがある場合、患者は空気感染隔離室(AII room)に入室
    • 感染が考えられないか1)臨床症状が他と診断、2)8~24時間ごとに喀痰を採取し抗酸菌喀痰塗沫試験で3回連続して陰性であった場合には退出。
    • 結核の治療中患者は空気感染隔離室(AII room)に入室
  3. 空気感染隔離室(AII room)の必要数
    • 結核の患者数を調査してリスク評価分類を行い、リスク評価分類で空気感染隔離室(AII room)数を決定。
    • 結核の疑いまたは感染と確定した患者の患者―日数(patient-days)よって空気感染隔離室(AII room)の追加が必要。
    • 例)120床の病院に最低一つの空気感染隔離室(AII room)が必要。結核患者数/年により空気感染隔離室(AII room)の追加が必要。
Yoshida Pharmaceutical Co., Ltd. 2006.02.02

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