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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.11 No.1 Spring 2006

医療施設における抗菌薬の耐性を予防するキャンペーンの推進結果に対する評価

Brinsley, K., Sinkowitz-Cochran, R., et al.
An assessment of issues surrounding implementation of the Campaign to Prevent Antimicrobial Resistance in Healthcare Settings.
Am J Infect Control., 33:402-409, 2005.

CDCは、2002年3月より、抗菌薬の耐性を予防するための4つの戦略、すなわち(1)感染の予防、(2)感染の診断および効果的な治療、(3)抗菌薬の適正使用、(4)伝播の予防、からなるキャンペーンを始めた。このキャンペーンは、臨床家(医師、看護師、その他の医療スタッフも含む)の抗菌薬の耐性に関する知識を増やし、抗菌薬耐性を予防するような行動を起こしてもらうことを目的としている。

このキャンペーンは、9つの調査プロジェクトからなっている。キャンペーンの名前やイメージを決定するためのプロジェクト、12段階の専門的なステップを試験するための5つのプロジェクト、そしてキャンペーンを評価するための3つのプロジェクトである。

9つのプロジェクトから出されたデータについては、4つの主題から分析した。すなわち、抗菌薬耐性の問題点に関する認識、抗菌薬耐性を予防するためのバリア、12段階のステップの中で最も効果的、あるいは最も効果が少ないステップあるいは戦略、題材および情報源の選択について評価した。

9つのプロジェクトは、21の徹底的なインタビュー、焦点をあてた19のグループ、3のサーベイからなり、564人(84.1%)の医者、98人(14.1%)の看護師、33人(4.7%)の他の医療スタッフの計695人の臨床家がキャンペーンに参加した。職業と医学専門域による違いが認められた。参加者の大多数は、抗菌薬耐性は全国的な問題であることに同意したが、一部の参加者は、それぞれの施設や業務状況における問題であると考えていた。4つのキャンペーンの戦略中、最も重要なものは“感染の診断および効果的な治療”と“抗菌薬の適正使用”であり、“感染の予防”、“伝播の予防”については、効果が少ないことが認められた。頻繁に引用された題材および情報源は、ポスター、専門領域の学会誌、学会カンファランスおよび学会総会におけるプレゼンテーションなどであった。

本調査により、医療施設における抗菌薬の耐性を予防するキャンペーンを行う際に、その成功に影響を与える重要な問題点が浮き彫りにされた。キャンペーンメッセージを作成する際や個々の施設あるいは臨床家のタイプ別に支援材料を用意する際には、本調査結果から抽出された問題点への対応策あるいは推奨策を講じ、容易に行動に変化をもたらすことができるように促進していくことが重要である。

(訳:松本雅弘,木津純子)

Carlisle Vol.11 No.1 p12-14 Spring 2006

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