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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
2006/03/31

新生児における市井関連メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染

MMWR March 31, 2006, Vol. 55, No.12.
Community-Associated Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
Infection Among Healthy Newborns – Chicago and Los Angeles County, 2004の要旨
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/wk/mm5512.pdf

シカゴとロサンゼルスの2病院において、新生児室の新生児の間にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による集団皮膚感染が発生した。検査の結果、それらのMRSAは市井獲得MRSAと関連する菌株であることが判明した。シカゴにおける調査では、担当医療従事者の鼻腔からも同様のMRSAの分離が確認された。新生児室においては、市井関連MRSAが新生児に皮膚感染を起こしうることを認識し、手指衛生を含む標準予防策を遵守することが重要である。

註:(編集指導者よりの特別コメント)
日本における経験でも、新生児室でMRSA保菌者/感染症例が発生すると、あっという間に広がり、場合によっては、新生児室を閉鎖しなければ成らなくなることが起こります。総てが感染症例となるわけではありませんが、新生児室における交差汚染予防対策、接触汚染対策の基本が重要であることを物語っています。日本の基準における新生児一人当たりの面積も問題です。2005年2月1日の省令改正で、その意義に関するエビデンスが無いとされた、 入り口での着替え、履き替えをいまだおこなっている新生児室もかなりあるようですが、新生児室内での医療業務中の手指衛生を中心とした交差汚染防止対策、新生児から新生児への接触汚染を防止する日常的対策等が適切に行われていなければ何にも成りません。新生児室内におけるこのような基本的対策が最も重要な対策です。勤務職員の数、多忙なども原因となるでしょうが、対策を確実に履行し、外からの持込にも注意している施設では、このような問題は起こりません。最も注意しなければならない病院感染制御の課題の一つです。今後、日本においてMRSA市井感染が問題化してくれば、更なる注意が不可欠と成ります。(小林寛伊)(2006.04.10訂正)

<訳註>
市井獲得MRSAについてはこちらを参照ください。

MMWR:2006.03.31/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2006.04.10

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