Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染予防策 > 接触予防策 > 患者介護期間での手指への伝播のエビデンスに基づくモデルおよび改良演習の役割
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.12 No.2 Summer 2007

患者介護期間での手指への伝播のエビデンスに基づくモデルおよび改良演習の役割

Pittet D, Allegranzi B, Sax H, et al.
Evidenced-based model for hand transmission during patient care and the role of improved practices.
Lancet Infect Dis 2006; 6: 641-652.

 手指衛生は、医療従事者が関係する感染および抗菌薬耐性病原菌の拡散を防止するための最重要手段と考えられる。けれども、手指衛生の未遵守(ノンコンプライアンス)がヘルスケアー病棟における主要な問題として残っている。手指衛生の遵守の疫学については、最近、改良並びに促進のためのアプローチが示唆された。手指衛生のためのガイドラインは、標準化並びに実際面を改良すべきである。また、連続的な介入戦略をデザインすることを推奨すべきである。

 手指洗浄は医療従事者が関係する感染および抗菌薬耐性病原菌の交差耐性を減じるための最初の機能である。医療従事者の手指を介する患者間での病原菌の伝播には、5つの連続する段階が要求される。すなわち、(1)微生物は患者の皮膚に存在する。あるいは、患者と隣接した環境中における接触伝染媒介物の中に落下し続ける。(2)微生物は医療従事者の手指を介して移っていくに違いない。

(3)微生物は少なくとも数分間は医療従事者の手指上で生存することが出来る。(4)医療従事者による手指洗浄または手指消毒は、不適切かあるいは全く省略されているにちがいないか、または手指衛生のために使用される薬剤が不適切である。(5)ケアーを担う人の汚染された手指は、他の患者への直接的な接触あるいは患者への直接的な介護において接触伝染媒介物を移すにちがいない。われわれは患者のケアーの間での手指衛生のための対応する指示とともに、手指衛生の研究および教育戦略のための動態モデルを提唱する。

 患者介護病棟における感染率に及ぼす手指衛生に付随する付加的で科学的並びにカジュアルなエビデンスの発生は、感染制御の重要性を伝える。これらの結果より、改良した手指衛生の実践は、病原菌の伝播のリスクを減少させる。ヘルスケアー職員、特に患者介護の間での手指洗浄のための注目される指示は、手指衛生の改善のための決定的な段階である。

 われわれは手指衛生の実践をプロモートするために、手指伝播の各段階を強調するための教育材料を奨励する。手指衛生の指示のタイミングは最善の現行のエビデンスに従い、ここに要約した交差汚染の期待されない動力学に基づく。このレビューでの記述より、いくつかの未踏な見解および研究に利用できる方法論の弱点が分かった。そこで、将来的な研究のためのピンポイントの優先エリアが見えてくる。これらの論文での研究は、モデルのエビデンスの基礎を作ることを保証する。特に、研究は検討をデザインするとき、手指による伝播の完全な領域のことを考えるべきである。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.12 No.2 p8-10 Summer 2007

関連サイト