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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.12 No.4 Winter 2008

カンジダの手指保菌と病院職員における危険因子

Mustafa Y, Idris S, Abdulkadir K, et al.
Hand carriage of Candida species and risk factors in hospital personnel.
Mycoses 2007; 50(3): 189-192.

カンジダは人の常在菌であり、皮膚、消化管、喀痰、女性性器、留置カテーテル中の尿などに見られる菌である。それゆえ、大部分のカンジダ感染は内因性感染であるが、人から人への伝播も起こり得、病院環境を感染源としてカンジダ感染が起きたというエビデンスもある。カンジダは比較的高率に病院職員の皮膚に存在し、これがカンジダのコロナイゼーションや感染に大きな影響を与えると考えられている。本研究の目的は、病院職員の手指におけるカンジダ保菌率と、コロナイゼーションの危険因子を評価することである。

トルコのDuzce Medical Faculty Hospitalの職員214名(女性139名、男性75名)の手指から検体を採取した。この内訳は看護師88名、レジデント62名、検査室勤務者21名、事務職員30名、食堂職員13名であった。被験者全員に対して手洗い回数、手袋の使用頻度、前月の手術歴や抗菌薬の使用状況に関するアンケートを実施するとともに、皮膚科医が湿疹や他の皮膚疾患の有無を確認した。その後broth was法により、brain-heart infusion broth(broth)を入れたバッグ中で被験者の両手を洗い、このbrothを培養した。

その結果、被験者の34.1%の手指にカンジダが存在し、看護師は30.7%、レジデント25.8%、検査室勤務者28.6%、食堂職員84.6%、事務職員43.3%がカンジダを保菌していた。食堂職員のカンジダ保菌率は他の職種に比べ最も高かった(p=0.001)。単離されたカンジダの種類はC. parapsilosis(38.4%)、C. tropicalis(26.0%)、C. albicans(23.3%)、C. kefyr(11.0%)、C. globosa(1.4%)であった。カンジダ保菌率は、職務上、手袋を使用しない看護師(7.1%、p=0.031)より手袋を使用する看護師(35.1%)の方が高く、抗菌薬の使用、手術歴、湿疹や皮膚疾患の有無には影響を受けなかった。

カンジダは病院職員の手指に一般的に存在し、特に医療行為を行わない病院職員の手指に高率で存在していた。看護師では手袋の着用がカンジダの保菌率上昇に関係があった。最も高頻度で検出されたC. parapsilosisは、病院職員の手指から重症患者に病院感染を引き起こし得るものであり、とくにカンジダ保菌率が高かった食堂職員の患者への接触は避けなければならない。病院職員はカンジダの増殖を防ぐためにも標準的な手洗い方法に関する教育を受ける必要がある。

(訳:寺島朝子,木津純子)

Carlisle Vol.12 No.4 p12-14 Winter 2008

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