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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
2008/09/12

検査室精度管理試験中に起きた炭疽菌の交差汚染-アイダホ 2006年

September 12, 2008, Vol. 57 No. 36
Cross-Contamination of Clinical Specimens with Bacillus anthracis During a Laboratory Proficiency Test — Idaho, 2006の要旨
http://www.cdc.gov/mmwR/preview/mmwrhtml/mm5736a3.htm
http://www.cdc.gov/mmwR/PDF/wk/mm5736.pdf
2006年7月18日、ユタ州健康省は、アイダホ州健康福祉省の疫学者たちに対し、ある患者から炭疽菌が分離されたと報告した。また、同日、the Idaho Bureau of Laboratoriesも、別の患者の検体が炭疽菌検査を受けるために送られてきたと報告した。検体のうち1つは、アイダホ州に住む36歳男性の、犬に噛まれた傷から採取されたものであるが、この男性には炭疽菌に感染するリスクファクターはなく、噛んだ犬や地域のペットを経由しての感染の可能性も考えられなかった。もう1つの検体は、アイダホ州北部に住む彫刻家の男性がテーブルソーで手に負った傷から採取されたが、このケースについても、患者には皮膚炭疽の兆候は見られなかった。その後の調査により、この2つの検体を取り扱った病院の検査室が、それと同時に病原性の無い炭疽菌株(Sterne strain)などを含んだ検査室精度管理試験を行っていたものの、疫学者たちにそれを知らせていなかった事が判明した。2つの検体は、この検査室内で炭疽菌に交差汚染していた。
この事例から、交差汚染を最小限に押さえるために検査室の運用を正しく行うことの必要性が浮き彫りになった。また、炭疽菌に関する誤報を防ぐため、バイオテロリズムに使用されるリスクの高い物質に関連する精度管理試験を行う際には、法定病の観察を行っている公衆衛生疫学者に前もって知らせるべきである。
<訳註>
バイオテロリズムと炭疽菌については、Y’s Review:「バイオテロリズムに対する病院感染対策(前編)もご参照下さい。
MMWR:2008.09.12/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd: 2008.09.16

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