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Dispatch
感染症対策速報
2009/09/10

医療機関での新型インフルエンザ感染対策―改訂版

2009年5月20日
2009年8月25日改訂
国立感染症研究所感染症情報センター

Published online 2009.09.10

はじめに

2009年9月現在、新型インフルエンザA(H1N1)患者の国内感染は、インフルエンザの定点報告の結果から全国的な大流行になりつつあると考えられています。新型インフルエンザの医療関連感染をできるだけ防止するための暫定的な手引きとして、2009年5月20日、国立感染症研究所感染症情報センターより「医療機関での新型インフルエンザ感染対策」が示されました。2009年8月25日にその改訂版が公開され、感染対策の内容についてさらに詳しく記載が追加されました。以下、改訂版の概要を述べます。

推奨される感染対策

新型インフルエンザA(H1N1)に対する感染対策は、原則として季節性インフルエンザと同様の飛沫予防策、標準予防策の適用となります。医療機関においては咳エチケットを励行し、そのために必要な資材を準備することが推奨されています。医療従事者の健康状態の観察などについても追加されています。また、今回の改訂版では、外来および病棟での感染対策を分けて記載しています。

外来での感染対策

すべての医療機関において、外来患者等のすべての来訪者に対し、発熱、咳などのインフルエンザ様症状の有無をスクリーニングすることが推奨されており、インフルエンザ様症状がある場合は、サージカルマスクの着用等の咳エチケットを行うことが推奨されています。また、インフルエンザ様症状の有無により患者を別の区域にわけるか、時間的な分離を行うことが望ましいとされています。また、症状の確認等の業務を行うスタッフは常時サージカルマスク着用が推奨されています。

病棟での感染対策

基本的には外来での感染対策と同様の対策を行うこととされています。新型インフルエンザ感染患者の入院時の管理としてカーテンなどによる障壁が有用であることや、患者移動時の患者のサージカルマスク着用、医療従事者の必要時の手袋・ガウン等の着用、面会者の制限についての記載が追加されています。また、清掃、洗濯、リネンの扱い、洗浄・消毒については、季節性インフルエンザと同様とし、各施設で行っている方法で行うこととしています。

推奨についての解説

上記の感染対策を推奨するに至った理由について、以下の3つの項目に分けて解説されています。前回作成時から今回の改訂時までの流行状況等についての説明や、CDC、WHOの現時点におけるガイドラインの内容について記載されています。
流行状況や感染経路などに関する現状分析 日本でこれまで想定されていた新型インフルエンザの感染対策の見直しの必要性 米国CDC、およびWHOの医療機関における感染対策ガイドラインとその内容 また、これらの内容を踏まえつつ、日本における流行期においての感染対策について、以下の3つの項目に分けて述べられています。

【A】症例に対して医療従事者が最初に接する場所での感染対策
【B】確定患者のケアを行う医療従事者のとるべき経路別予防策
【C】患者を収容する病室

これら3つの項目において改訂前との大きな変更点はなく、今回の改訂により、ドアノブ等の高頻度接触部位に対する対応や、新型インフルエンザ感染患者に対して感染対策を行う期間、医療従事者の健康管理等についての記載がさらに追加されています。

感染対策の推奨内容、解説の詳細については、原文をご確認ください。

終わりに

現時点の知見では、新型インフルエンザA(H1N1)の感染対策は、季節性インフルエンザと同等の対策が基本となります。各医療機関においては、標準予防策および飛沫予防策を徹底することが肝要です。

<参考文献>

  1. 国立感染症研究所感染症情報センター:
    医療機関での新型インフルエンザ感染対策―改訂版(2009年8月25日改定)
    http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/infection_control_0901.html
2009.09.10 Yoshida Pharmaceutical Co.,Ltd.

関連サイト