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感染症対策速報
2009/04/28

ブタインフルエンザについて -フェーズ4における医療施設における対応-


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2009.04.28時点の情報
Published online 2009.04.30

<注意>この記事は、2009年4月28日時点での情報をもとに作成しています。

メキシコを中心にブタインルエンザが猛威を振るっており、米国、カナダ、スペインなどでも感染症例が発生しています。これを受けて2009年4月27日にWHOは緊急会議を開催し、新型インフルエンザのパンデミックフェースを3から4へ引き上げを決定しました。以下フェーズ4における医療施設の対策について、厚生労働省の新型インフルエンザ対策ガイドライン-医療体制に関するガイドラインおよび新型インフルエンザガイドライン(フェーズ4以降)-医療施設等における感染対策ガイドラインより述べます。

新型インフルエンザ対策ガイドライン-医療体制に関するガイドライン
(詳細およびフェーズ4以降の対応は下記をご参照下さい。)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/guide/090217keikaku.pdf

1. 第一段階(海外発生期)における医療体制

この段階では、国内発生に備えて医療体制の整備を進めるとともに、問い合わせに対応する相談窓口を設置するなど、国民への情報提供を行う。

(1)国内発生に備えた対応について

1)診療所等を含む全ての医療機関の対応

  • 慢性疾患を有する定期受診患者については、この段階において定期薬の長期処方をしておく等、患者の状態に配慮しながら第三段階のまん延期に医療機関を直接受診する機会を減らすよう調整する。
  • 慢性疾患等を有する定期受診患者については、この段階において事前にかかりつけの医師が了承し、その旨をカルテ等に記載しておくことで、第三段階のまん延期に発熱した際に、電話による診療により新型インフルエンザへの感染の有無について診断ができた場合には、ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを発行することができる。

2)感染症指定医療機関等の対応

  • この段階においても、新型インフルエンザに感染している可能性があるが患者とは診断できない者が多数発生し、入院を必要とする例もあると予想される。このような場合も感染症指定医療機関等が当該者を受け入れることになるが、新型インフルエンザが否定された時点で、当該者を退院又は一般病院に転院することを検討する。

3)発行された処方せんに対する薬局での対応

  • 慢性疾患等を有する定期受診患者について、薬局は長期処方に伴う患者の服薬コンプライアンスの低下や薬剤の紛失等を回避するため、電話での服薬指導等を検討する。また、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を徹底し、ファクシミリ等による処方せんの応需体制を整備する。

4)都道府県等の対応

  • 都道府県等は、保健所に新型インフルエンザへの感染を疑って医療機関を受診しようとする者(以下「新型インフルエンザへの感染を疑う者」という。)から相談を受ける発熱相談センターを整備するとともに、ポスターや広報誌等を活用して、新型インフルエンザへの感染を疑う者は、まず発熱相談センターへ電話等により問い合わせることを、地域住民へ周知徹底する。
  • 都道府県は、感染症指定医療機関等が、この段階から即応態勢をとる必要があること等を踏まえ、全ての医療機関の準備状況を把握し、その準備を支援する(人材調整、感染対策資器材、抗インフルエンザウイルス薬等)。

(2)発熱相談センターの役割について

  • 発熱相談センターは、新型インフルエンザの患者の早期発見、当該者が事前連絡せずに直接医療機関を受診することによるそれ以外の疾患の患者への感染の防止、地域住民への心理的サポート及び特定の医療機関に集中しがちな負担の軽減等を目的とする。
  • 発熱相談センターでは極力対面を避けて情報を交換し、本人の情報(症状、患者との接触歴、渡航歴等)から新型インフルエンザに感染している疑いがある場合、マスクを着用した上、感染症指定医療機関等を受診するよう指導を行う。また、受診するよう指導した医療機関の電話番号を本人又はその家族等に伝え、受診前に必ず連絡して、受診する時刻及び入口等について問い合わせるよう指導する。新型インフルエンザに感染している疑いがない場合は、適切な情報を与え、必要に応じて近医を受診するよう指導を行う。
  • 発熱相談センターは、第二段階(国内発生早期)以降も継続する。

新型インフルエンザガイドライン(フェーズ4以降)
-医療施設等における感染対策ガイドライン
(詳細は下記をご参照下さい。)

http://www-bm.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-07.pdf

新型インフルエンザ発生時の医療施設における感染対策の基本的考え方

  • 基本的にはフェーズ3までの対策と同様に標準予防策および経路別予防策を実施する。新型インフルエンザの感染経路は不明であるためにすべての感染経路別予防策を実施することが望ましいが、流行に伴い集積される知見に基づき、必要な感染予防策を実施する。

医療機関における部門別の感染対策

  1. 外来部門
    • 新型インフルエンザ患者数が無いもしくは少数の場合は来院時の問診を強化する。
    • 新型インフルエンザ患者数が増加した場合には外来トリアージを実施する。
  2. 急性期の入院病棟部門
    • 新型インフルエンザ患者あるいはそれに準ずる患者に接する際には適切な個人防護具(N95マスク、サージカルマスク、眼の防護具、手袋、ガウンなど)を使用する。
    • 石けんと流水またはアルコール製剤による手指衛生が感染対策の基本であることをスタッフ・患者などすべての人々が認識しなければならない。
    • 新型インフルエンザ患者、あるいはそれに準じた患者の分泌物などで汚染された環境は直ちに清掃する。必要に応じて汚染局所の清拭消毒を次亜塩素酸ナトリウムあるいはアルコールを使用して行なう。
    • 新型インフルエンザ入院患者あるいはそれに準じた患者は陰圧個室に収容する。陰圧の部屋が確保できない場合は、他室と換気を共有しない個室に収容し、ドアを常時閉め、戸外に面した側の窓を開けるか換気扇を使用するなどにより十分に換気する。
    • 患者の移動制限を実施し、患者に対する面会は特別な場合を除いて禁止する。
  3. 長期ケア部門
    • 基本的に急性期の入院病棟部門と同様の対策を実施する。
    • 長期ケア部門では入所者の出入りが比較的少ないため、医療施設のスタッフや見舞い客の持ち込みによる施設内新型インフルエンザ流行阻止を防ぐことが肝要である。
  4. 在宅ケア
    • 在宅ケアは医療機関などと異なり一度に多数の人が集まる場所ではないために、ケアの提供者と被提供者の間での感染伝播に注意することが大切である。
  5. 小児科病棟
    • 基本的に急性期の入院病棟部門と同様の対策を実施する。
    • 小児は感染対策遵守度が成人に比べて低く、親子間、小児同士の接触度が高いことに留意が必要である。
    • 精神的なケアに関しては、成人以上に注意する。

以上詳細な内容についてはガイドラインの原文をご確認下さい。

2009.04.30 Yoshida Pharmaceutical Co.,Ltd.

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