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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.1 Spring 2009

病院で誕生した新生児に対するクロルヘキシジン清拭が細菌コロニー形成に及ぼす影響: ランダム化比較試験

Mullany LC, Khatry SK, Sherchand JB, et al.
A Randomized Controlled Trial of the Impact of Chlorhexidine Skin Cleansing on Bacterial Colonization of Hospital-Born Infants in Nepal.
Pediatr Infect Dis J 2008;27(6):505-511.

発展途上国において、新生児にクロルヘキシジンによる清拭を導入し、感染症や死亡率を減少させたことが報告されている。しかしながら、クロルヘキシジン清拭が生後24時間以内の皮膚細菌コロニー形成に与える影響や、クロルヘキシジンの経皮吸収性についてのデータはほとんどない。本研究は、ネパールの病院で誕生した新生児を対象とし、清拭に用いるクロルヘキシジン濃度を0.25%、0.5%、1%の3群にランダムに割り付け、全身清拭による細菌コロニー形成への影響および経皮吸収について比較検討した。なお、皮膚細菌検体は、腋窩、鼡径部、臍帯周辺部より、清拭前(ベースライン)、2時間後、24時間後に採取した。また、一部の新生児については、清拭24時間後に足踵採血を行い、経皮吸収に関する検討を行った。

対象新生児286名の全例で皮膚有害作用はなく、体温低下も最小限(平均-0.33 ℃)であった。皮膚細菌陽性率については、清拭2時間後では全群において著しい減少を示し、その減少率は濃度依存的であった。清拭24時間後については、0.25%群では全採取箇所においてベースラインとほぼ同程度の細菌陽性率まで戻っていたが、0.5%群では腋窩より採取した検体のみが減少傾向を示した。一方、1%群では全採取箇所において大幅に減少しており、クロルヘキシジン清拭の24時間後の効果は、1%群において最大であることが認められた。足踵採血を行った75名の血液検体については、15名において微量濃度のクロルヘキシジンが検出され、クロルヘキシジンの経皮吸収性が確認された(<8ng/mL、n=14;25.8ng/mL、n=1)。

クロルヘキシジン清拭は安全であり、新生児における清拭2時間後の皮膚細菌フローラの減少に濃度依存的に寄与することが認められた。また高濃度(1%)クロルヘキシジンの使用は、低濃度に比して高い効果が期待できることから、分娩時に母体清拭と新生児清拭の双方を行う施設においては、新生児に用いる濃度と母体へ用いる濃度とを一致させ、同一処方で清拭できる可能性が示唆された。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.14 No.1 p8-10 Spring 2009

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