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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.1 Spring 2009

静脈注射部位消毒のための10%ポビドンヨード水溶液と2%クロルヘキシジンチンキ剤のランダム化比較試験:血液培養汚染速度に及ぼす効果

Suwanpimolkul G, Pongkumpai M, Suankratay C
A randomized trial of 2% chlorhexidine tincture compared with 10% aqueous povidone-iodine for venipuncture site disinfection:Effects on blood culture contamination rates.
J Inf 2008;56:354-359.

血液培養は感染性疾患の診断に利用される最も重要な実験室内での試験である。近年、汚染した血液培養は臨床医においては、一般的で、かつ多くの費用を必要とすることから、フラストレーションの原因となり続けている。また、今回の検討施設に特定した汚染率は従来の2%から6%以上へと上昇している。このように汚染した血液培養は厄介な論争として認識されてきた。皮膚消毒剤は、血液培養の汚染を防止することが可能である。われわれの知識では、静脈部位の消毒のための2%クロルヘキシジン溶液(アルコール配合剤)と10%ポビドンヨード水溶液を比較するためのランダム化した研究は実施されていなかった。

本研究は、血液培養汚染を防止するために、70%アルコールを配合した2%クロルヘキシジンおよび10%ポビドンヨード水溶液を使用した静脈部位の消毒効果を評価することを目的とした。2006年の8月から10月にかけて、王立チュラロンコン記念病院(バンコク、タイ)の内科病棟および緊急室(ER)における患者において、推奨されているランダム化した研究者による盲検での試みを実施した。

70%アルコールを配合した2%クロルヘキシジンまたは10%ポビドンヨード水溶液で静脈部位を消毒し、そして学生、研修医または看護師により血液培養を実施した。2,146件の血液培養(男性509人、女性546人。末梢血管からの血液培養を実施することが要求される菌血症の症状および徴候が認められる16歳以上の患者を対象)の中で、108件(5.03%)は皮膚常在菌で汚染されていた。血液培養の汚染率で比較したとき、10%ポビドンヨード水溶液では6.9%(1,078件中の74件)であったが、2%クロルヘキシジン溶液(アルコール配合剤)では、血液培養汚染率は3.2%(1,068件中34件)と有意に低かった(p<0.001)。内科病棟においては、血液培養汚染率は2%クロルヘキシジン溶液(アルコール配合剤)および10%ポビドンヨード水溶液では、それぞれ2.6%および3.9%であった(p=0.2)。ERにおいては、汚染率は2%クロルヘキシジン溶液(アルコール配合剤)および10%ポビドンヨード水溶液では、それぞれ4.3%および12.5%であった(p<0.001)。最も頻繁に汚染されていた菌株は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(80.6%)で、次いでコリネバクテリウム(6.5%)、そしてバシラス属菌(5.5%)であった。

結論として、2%クロルヘキシジン溶液(アルコール配合剤)は、血液培養を実施する以前の静脈部位の消毒に際しては、10%ポビドンヨード水溶液よりも優れている。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.14 No.1 p8-10 Spring 2009

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