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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.1 Spring 2009

異なる試験条件下における抗菌性および非抗菌性石けんの活性を比較するための代替手指汚染手法

JL, Rodgers ND, Fischler GE, et al.
Alternative Hand Contamination Technique To Compare the Activities of Antimicrobial and Nonantimicrobial Soaps under Different Test Conditions.
Appl Environ Microbiol 2008;74:3739-3744.

手指消毒は、臨床および非臨床環境において、疾病の伝播を予防するための最も容易かつ簡単な公衆衛生学的実践行為の一つであると考えられる。洗浄時間および手指洗浄のための適切な手法の推奨は、種々の公衆衛生関連機関において公表されてきた。手指による通過菌の移行は、直接および間接的な疾病の伝播において重要な役割を担っている。一方、熟練者は、石けんと流水を使用する手指洗浄が疾病に関係する細菌の伝播を減少させるのに効果的であることには同意しているが、非抗菌性石けんおよび流水に加えて、抗菌剤での手指洗浄の利益については、未だ疑いを残している。抗菌性石けんの使用群と非抗菌性石けんを使用した群間での疾病の減少を見た研究は、矛盾する結果を見るために続いている。得られる知見の差異は、石けんの使用量、洗浄時間、抗菌剤の種類および公表された研究におけるこれらの要因の統一の欠如によるのかも知れない。

本研究の目的は、洗浄時間および石けんの使用量が抗菌石けんおよび非抗菌石けんの抗菌活性に、どのように影響するかを比較するため、およびこれらの製品で手指を洗浄した後の対象物への通過菌の伝播を測定するため、ASTM E1174法を利用し、より適切で、かつ実際の手指汚染を測定する技術を開発し、利用することであった。洗浄時間が15秒から30秒に増加するに従い、抗菌性石けんではShigella flexneriの菌数の減少が2.90から3.33Log10に増加した。一方、非抗菌性石けんでは菌数の減少は15秒および30秒でそれぞれ1.72および1.67Log10であった(p=0.086)。非抗菌性石けんの効果がほとんど認められないことがわかる。石けんの使用量の増加は、抗菌性および非抗菌性石けんのいずれの場合も細菌数の減少量を増加させた。石けんの量を重量に基づいて3gに標準化したとき、抗菌性石けんの使用によるセラチア菌の減少が3.83Log10であったのと比較し、非抗菌性石けんでは、減少は1.08Log10であった(p<0.001)。抗菌性石けんでの15秒間の手指洗浄後のプラスチック球への大腸菌の移行は、非抗菌性石けんでの洗浄後手指で扱ったボールにおける細菌の回収が4.22Log10であるのと比較して、2.49Log10の回収を示した(p<0.001)。

このことより、非抗菌性石けんは(殺菌)効果が少なく、そして、抗菌性石けんの効果は洗浄時間を長く(15秒から30秒間へ)、そして石けんの使用量をより多くすることによって改良できることを示唆している。対象物に対する細菌の移行は抗菌性石けんの使用による細菌数の減少により、有意に低下した。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.14 No.1 p8-10 Spring 2009

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