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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.2 Summer 2009

クロルヘキシジングルコン酸塩含有の透明ゲルドレッシング製剤とパッチ製剤の使用難易度に関するパイロットスタディ
―健康成人におけるランダム化比較試験―

Chou I Eyberg, Janine Pyrek
A controlled Randomized Prospective Comparative Pilot Study to Evaluate the Ease of Use of a Transparent Chlorhexidine Gluconate Gel Dressing Versus A Chlorhexidine Gluconate Disk in Healthy Volunteers.
JAVA 2008;13(3):112-117.

血管内留置カテーテルは医療において不可欠であり、薬や栄養の経管的投与等を可能にしている一方で、カテーテル挿入に起因する血流感染等を引き起こす危険性も指摘されている。カテーテル挿入に関する新たな製品や技術の向上は、医療従事者の時間の節約に寄与するほか、患者の安全性や感染制御対策を促進すると同時に、エビデンスに基づく医療を評価する良い機会にもなると考えられる。

本研究は、カテーテル挿入時に使用する消毒剤クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)を含有する製剤として、CHG透明ゲルドレッシング製剤と、CHGパッチ製剤の実用性について、臨床評価を比較検討することを目的として行われたパイロットスタディである。

専門の臨床医12名が、CHG透明ゲルドレッシング製剤およびCHGパッチ製剤使用時のカテーテル挿入難易度等に関する項目について評価を行った。カテーテル挿入は健康成人12名に行われ、各臨床医は製造業者の説明に従ってCHG透明ゲルドレッシング製剤およびCHGパッチ製剤を用いて頚静脈カテーテルと中心静脈カテーテルの挿入・抜去のシミュレーションを1回ずつ行った後に、5段階方式で評価した。

その結果、挿入難易度や、抜去難易度、挿入の正確性、挿入部位の見易さ、他の医療従事者への教育難易度等の項目において、CHGパッチ製剤に比して、CHG透明ゲルドレッシング製剤の方が優れていることが認められた。また、挿入時間もCHG透明ゲルドレッシング製剤の方が有意に短く、総合的な実務評価においても被験者12名全員がCHG透明ゲルドレッシング製剤を支持する結果となった。

本研究は、健康成人を対象としたパイロットスタディであり、カテーテル固定に通常行われる縫合ではなくSteri-Strips&#8482によるテーピングを行ったことや、評価方法として主観的な5段階評価を用いたこと等の多くの制限があった。そのため、本研究で明らかとなったCHG透明ゲルドレッシング製剤の評価については、更なる臨床試験を行い実証する必要があると考える。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.14 No.2 p8-10 Summer 2009

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