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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.2 Summer 2009

健常新生児における黄色ブドウ球菌の皮膚定着に及ぼすクロルヘキシジンを使用する最初の入浴の効果

De Cunha ML, Procianoy RS, Franceschini DT, et al.
Effect of the first bath with chlorhexidine on skin colonization with Staphylococcus aureus in normal healthy term newborns.
Scand J Infect Dis 2008;40:615-620.

黄色ブドウ球菌は、われわれの病院では新生児の敗血症の際に最も頻繁に発見される微生物の一つである。2005~2006年の間にわれわれの施設で確認された、敗血症を伴った新生児の血液培養のうちの21%は黄色ブドウ球菌であった。なお、われわれの知識では、感染率の低い病棟での敗血症への危険要因がない場合で、健常新生児への黄色ブドウ球菌の定着を防止するためのクロルヘキシジン溶液または中性石けんによる新生児の入浴効果を比較した研究は認められない。本研究の目的は、クロルヘキシジン液体石ケンおよび中性石けんで入浴させた健常新生児における最初の入浴後24時間目における黄色ブドウ球菌の皮膚への定着率を比較することであった。

ブラインドした条件でランダム化した臨床トライアルを、クロルヘキシジンを使用する最初の入浴を受ける93人の新生児(実験群)または中性の液体石けん(対照群)で実施した。入浴前、入浴30分後および入浴後24時間目における新生児の右手の腋窩の皮膚から試料を採取した。入浴前直ぐの段階で黄色ブドウ球菌の定着を確認出来たのは、対照群で10.2%(n=5)、実験群では4.5%(n=2)であり、入浴後30分目では黄色ブドウ球菌の予防は、対照群で36.7%(n=18)で、実験群では13.6%(n=6)であった(p=0.021)。両群において、最初の1ヵ月間で敗血症の発生は認められなかった。

われわれの研究は、低い新生児の敗血症予防環境における健常新生児の最初の入浴中でのクロルヘキシジンおよび中性石けんの使用を比較した最初のランダム化した臨床的な試みである。これはまた健常新生児におけるクロルヘキシジンを使用した入浴後少なくとも24時間まで、皮膚への定着を研究した最初の検討である。この研究の結果は、クロルヘキシジン溶液を使用した最初の入浴は安全であり、そして低い新生児感染の流行の病棟における敗血症の発生という強い衝撃を伴う、生後24時間までの新生児の皮膚への黄色ブドウ球菌の定着を減少させることである。

結論として、クロルヘキシジンを用いた最初の入浴は、24時間における新生児の皮膚における黄色ブドウ球菌の定着を減少させた。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.14 No.2 p8-10 Summer 2009

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