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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.17 Suppl.27

感染対策の改革を実践するリーダーシップ
(The Role of Leadership in Implementing Change)

第5回アジア太平洋感染制御学国際会議:シンポジウム記録集
5th International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Control : Symposium
開催日:2011年11月8日~11日
開催地:Melbourne Convention and Exhibition Centre(メルボルン、オーストラリア)

序文

第5回International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Controlアジア太平洋感染制御学会国際会議は、2011年11月8日~11日、メルボルンで開催された。回を重ねるに従って充実した国際会議となってきたが、その冒頭を飾るシンポジウムとして、“The Role of Leadership in Implementing Change感染対策の改革を実践するリーダーシップ”が企画された。大会本部の注文条件が多く、企画に苦労したが、結果的には大成功に終わった。英語を母国語としない国々のリーダーに演者をお願いして、それぞれの国のリーダーシップについて講演してもらった。詳細は本文に譲るが、日本、ドイツ、韓国、中国それぞれの共通問題と特徴とが浮き彫りにされた、意義ある内容であった。大会冒頭のシンポジウムであったため、参加人数に不安があったが、開いてみると、非常に多くの聴衆が集まり、シンポジウム終了直後には、演者のもとに多数詰めかけ、数々の議論に花が咲いた。この議論は、当夜の懇親会の席にまで続き、数多くの反響を呼んでいた。単なる総論ではなく、実践の場でリーダーシップを発揮している方々に演者を依頼したことが成功につながった理由であろう。

小林 寛伊 Hiroyoshi Kobayashi

・医療現場におけるリーダーシップ ICNの役割
The Role of Leadership of ICN in Clinical Setting
吉田 理香
(近畿大学医学部附属病院 安全管理部感染対策室 看護長)
はじめに

本日は、日本の医療制度の概要、感染制御体制、感染対策チーム(Infection control team:ICT)について、感染管理認定看護師(Certified nurse for infection control:CNIC)について、感染制御の変革を実行するためのリーダーシップについて、お話しします。

・医療スタッフ間の良好なコミュニケーションのためのリーダーシップとは
The Role of Leadership to Make Good Communication among Healthcare Personnel in Hospital
Hyang Soon Oh
(Seoul National University Hospital, South Korea)
感染制御におけるリーダーシップとコミュニケーションの関係

私たちは、リーダーシップとコミュニケーションについて調査しました。

ウィキペディアによると、リーダーシップとは「共通の任務を遂行しようとするグループの中で1人の人物が他の人々の助力や支援を引き出す社会影響の過程」と表現しています。

また、コミュニケーションとは「有意義な情報を伝達することで、情報の発信者、伝達内容、情報の受け手が必要だが、コミュニケーションを図る際に必ずしも受け手がその場にいたり、発信者の伝達意思に気づく必要はない。そのため時間的空間的に非常に離れていても成立する。当事者間には伝達できる共通領域が必要で、受け手が発信者の伝達内容を理解した時点でコミュニケーションの過程が完了する」とされています。リーダーシップとコミュニケーションは感染制御にも関係しています。

感染制御の目的は医療関連感染を減少させ、患者、医療スタッフ、院内環境を病原微生物から守ることです。この目的を効果的に達成するには、感染制御において優れたリーダーシップを発揮し、良好なコミュニケーションを築いて医療スタッフを支援する必要があります。

・津波の被災地における感染対策
Infection Control Measures in Disaster Area
菅原 えりさ
(日本赤十字社医療センター)

はじめに

2011年3月11日は、日本にとって忘れることのできない日となりました。東北地方を襲ったマグニチュード9.0の激しい地震の揺れは東京の人々にも恐怖を与え、余震が続くなか、人々は津波による被害が次々に映し出されるテレビにくぎ付けになりました。

この未曾有の大災害において私は日本赤十字医療センターの一員として、また感染管理看護師として災害救助に携わりました。避難所における衛生管理の評価および地域医療との連携に関する問題について取り上げます。

・感染対策の改革を実践するために必要な組織的リーダーシップ
Organizational Leadership for Implementing the Change
Bijie Hu
(Zhongshan Hospital of Fudan University, China)
最善の感染対策とは

ここ10~20年の間にわが国や病院ではベッドのリクライニング、手指衛生、挿管時の手袋着用、医療器具の消毒方法、カテーテル管理など種々の変化が起こりました。感染制御の歴史は、医療処置、医療機器・医療器具、患者の安全の向上や教育などの継続的な変化であり、蓄積された最新の研究結果や発展した経済情勢を基盤としています。サーベイランスや感染制御、ICNIといった専門用語も変化しています。エビデンスに基づいて変化し続けることが最善の感染対策といえます。

・セーフティ・カルチャー-医療関連感染予防対策におけるリーダーのための規制および欧州連合(EU)におけるドイツの立場
Safety Culture-Regulations for the Leaders in Prevention of Healthcare-Associated Infections (HAI) and the German Stand within the European Union
Axel Kramer
(Ernst Moritz Arndt University of Greifswald, Germany)

はじめに

欧州は、面積1,050万km2(世界の6.7%)、人口7.3億人(世界の12%)で、欧州連合(EU)加盟国27ヵ国とその他20ヵ国で構成されています。英国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツにおける院内感染率を比較すると一番高いのは英国の9%、一番低いのはドイツの3.5%です。また、欧州各国のICUにおける医療関連感染発生率については、イタリアが30%以上でもっとも高く、一番低いのはスイスの9%、ドイツは約17%という現状です。

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Carlisle Vol.17 Suppl.27 Appendix 2011

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