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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.2 Summer 2011

大学病院勤務看護師におけるアトピー性湿疹の有無による手指皮膚炎:
危険因子の評価

Lan Cheng-Che E, Tu Hung-Pin, Lee Chien-Hung, et al.
Hand dermatitis among university hospital nursing staff with or without atopic eczema:assessment of risk factors.
Contact Dermatitis 2010;64:73-79.

職業病としての皮膚疾患は、筋骨格疾患の次に高い頻度を占め、特に手指皮膚炎は最も一般的な疾患である。手指皮膚炎に関する最近の疫学的レビューでは、アトピー性湿疹が手指皮膚炎の発生に関与する重要な因子と考えられている。湿潤環境業務による手指皮膚炎に関連するアトピー性湿疹の役割や影響は、重要とされているが明らかにされてはいない。しかし、病院に勤務する看護師の約1/3は、手指皮膚炎をもつことが明らかとなっている。さらに、手指皮膚炎は病院における湿潤業務と乾燥状況での業務に比し、前者は2倍の危険性が増加すると報告されている。

本研究は大学病院に勤務する看護師の手指皮膚炎に注目し、いくつかの危険因子を明らかにすることである。個体群研究は2007年8月~2009年7月の間にKaohsiung医科大学病院(台湾)に勤務する看護師で、インフォームドコンセントが得られた1,132名を対象とした。参加した看護師にアンケートを取り、3つのタイプに分類した。すなわち、①アトピー性湿疹有り(n=90)、②アトピー性湿疹なし(n=205)、③対照群:アトピー性湿疹も手指皮膚炎もなし(n=837)。

証明研究は、アトピー性湿疹のある看護師と経験年数1年以下の看護師は除外し、一般病棟に勤務するアトピー性湿疹のない140名の看護師を対照に行われた。10名の評価者は、看護師に皮膚刺激を与えるため手袋の装着、手指消毒用アルコール製剤の使用、流水での手指消毒を啓発した。

この方法でアトピー性湿疹のない看護師の湿潤業務の頻度と期間を評価した。アトピー性湿疹をもつ看護師は手指皮膚炎の危険性が3.76倍増加することが判明した。しかし、手指皮膚炎のある248名中43名がアトピー性湿疹を持っていた。また、手指皮膚炎の頻度はアトピー性湿疹のない看護師の間で手指皮膚炎発生に関連した決定要因となることも明らかとなった。アトピー性湿疹のない看護師の手指皮膚炎を低下させるには、手洗い頻度を少なくすることである。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.16 No.2 p7-9 Summer 2011

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