Y's Square:病院感染、院内感染対策学術情報 > 感染対策学術情報 > 医療関連感染情報季刊誌より(Carlisle) > Review > 感染部位 > 呼吸器 > 新規手指衛生プログラム導入後の混合集中治療室における人工呼吸器関連肺炎の減少
Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.3 Autumn 2011

新規手指衛生プログラム導入後の混合集中治療室における人工呼吸器関連肺炎の減少

Koff MD, Corwin HL, Beach ML, et al.
Reduction in ventilator associated pneumonia in a mixed intensive care unit after initiation of a novel hand hygiene program.
J Crit Care 2011;doi:10.1016/j.jcrc.2010.12.013

医療に関係する感染は、病院内で発生する患者の10%に達する。これらの感染のいくつかは、細菌の交差感染およびガイドラインの低い遵守率に基づくことが報告されている*。従事者の手指汚染は、改良可能なリスク要因かも知れない。われわれは、ICUでの従事者による手指衛生を改良するために設計された新規多様式のシステムを設立した。

教育、作業のフィードバックおよび携帯手指衛生装置を取り入れた多様式プログラムの研究前後において、カテーテル関連血流感染および人工呼吸器関連肺炎の発生率に及ぼす影響を評価した。遵守の程度を3カ月毎に調査した。主要アウトカム評価項目は、1,000 line daysあたりのカテーテル関連血流感染、または1,000 ventilator daysあたりの人工呼吸器関連肺炎と手指衛生の遵守率とした。副次アウトカム評価は入院期間および死亡率とした。

1,262人および1,331人の患者全体に対して、連続した12カ月間評価した。1,000 ventilator daysあたりの人工呼吸器関連肺炎は、プログラムの導入後有意に減少した([3.7対6.9]、P<0.01)。1,000 line daysあたりのカテーテル関連血流感染の減少は、有意ではなかった([1.5対2.6]、P=0.09)。観察された手指衛生の遵守は、研究期間で増大した。死亡率については、有意な差異は認められなかった。

一つの新規多様式の手指衛生システムは、人工呼吸器関連肺炎の発生数の減少をもたらした。ICUにおいて患者をケアする間での従事者の手指汚染は、人工呼吸器関連肺炎の発生を減少させるための一つの改良可能なリスク要因である。

結論として、われわれはICU中での一つの多様式プログラムの一部分としての個人的な手指衛生が、観察される手指衛生の遵守度の有意な増加および人工呼吸器関連肺炎の発生減少の両方に関係することを述べた。このアプローチは他の臨床病棟における医療従事者が関係する感染を減少させるための簡易で、かつ効果的なアプローチかも知れない。なお、他の行動介入として、システムの本質的な労苦を減少させるために、更なる検討が必要である。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.16 No.3 p8-10 Autumn 2011

関連サイト