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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.17 No.3 Autumn 2012

中国の医療機関における感染対策の現状

張 一凡(中国江蘇省 衛生監督所 監督三處*)
*日本でいう都道府県の衛生局に該当し、感染症を管理、監督し、対策を講ずる部署。

はじめに

中国では1980年頃より病院感染制御システムについて検討してきたが、現在、中国のICUにおけるVAP発生件数は、日本の約5倍である。このような状況において、私は、日本と中国の感染制御に関わる法と規制の比較分析を行い、現在の中国における病院感染管理制度の特徴と課題を明らかにすることを目的とし、約1年日本に留学し日本の感染制御を学ばせていただいた。

本稿では、中国の医療機関における感染対策の現状を報告する。

中国における病院感染制御システムは1986年に始まり、1989年には、日本の厚生労働省に相当する衛生部が病院感染管理基準を「総合病院評審基準」に定めた。中国では、法的な基準により体制が図られる傾向があり、その基準によって各病院長は感染制御に対して注目することとなり、病院感染管理作業が発展した。また、その後もさまざまな基準が2003年のSARS発生時に急速に制定、整備され、中国における感染制御システムを強化していくことにつながった。さらに2006年11月には、衛生部により感染制御基準専門委員会が設けられ、病院感染、耐性菌、抗菌薬使用に関する監視システムがつくられた。

中国では当初、医療関連感染(HAI;Healthcare- Associated Infection)の有病率は約10%であったが、2001年5.52%、2003年4.81%、2005年4.87%で、呼吸器、泌尿器、消化器感染が多くみられた1)。近年約10年の間に、中国経済の急速な発展とともに他国の協力もあり、感染管理の質と専門家の能力が向上し、病院感染管理が大きく進歩し、標準化されてきたといえよう。

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Carlisle Vol.17 No.3 p1-5 Autumn 2012

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