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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.17 No.3 Autumn 2012

感染制御における資格認定の意義:感染制御部の特徴や感染制御方針が多剤耐性菌感染症の発症率に及ぼす影響

Pogorzelska M, Stone PW, Larson EL, et al.
Certification in infection control matters: Impact of infection control department characteristics and policies on rates of multidrug-resistant infections.
Am J Infect Control 2012;40:96-101.

MRSAやVRE等の多剤耐性菌やClostridium difficileの病院内での伝播は、不適切な抗微生物薬の使用や、適切な感染制御対策の欠落に起因するものと考えられている。そこで、本研究では、(1)カリフォルニア州の病院における多剤耐性菌に対する感染制御方針を調査するとともに、(2)これらの感染制御方針および医療施設や感染制御部の組織的な特徴と、MRSAやVREによる血流感染症やC. difficile感染症の発生率との関連を調査した。

2010年にカリフォルニア州の331病院の感染制御部を対象として、感染制御方針および医療施設や感染制御部の特徴、多剤耐性菌出現率に関するデータについてアンケート調査を実施した。なお、感染制御方針に関しては、MRSAやVRE、C. difficileに対する全患者を対象としたスクリーニング検査や対象を絞った標的スクリーニング検査の実施状況等を調査した。また、医療施設の特徴は、病床数や職員に対する教育レベル、立地条件等を、感染制御部の特徴は、感染制御専門スタッフ数や資格認定者の割合等を調査した。

その結果、180病院がデータ提供に応じ(回答率54%)、入院時の標的MRSAスクリーニング検査の実施率は87%であった。また、大半の病院は、多剤耐性菌やC. difficileが確認された患者に対する接触予防策を実施していた一方で、スクリーニング検査の結果が出ていない患者に対する予防的隔離や接触予防策の実施率は低かった。多剤耐性菌の出現率低下との関連が統計的に認められた感染制御方針はほとんどなかったが、資格認定を受けた感染制御責任者がいる病院では、MRSA血流感染症の発生率が有意に低くなることが認められた(p<0.05)。

カリフォルニア州の多くの病院では、多剤耐性菌減少のための対策を実施しているが、個々の対策にはばらつきがあり、MRSAに焦点を当てたものが中心であった。本研究より、感染制御に関する資格認定の重要性や、資格認定者の有無が感染症発生率に影響を及ぼすことが確認された。今後も、これらの結論を裏付けるためのさらなる研究が必要である。

(訳:橋倉万由子,木津純子)

Carlisle Vol.17 No.3 p10-12 Autumn 2012

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