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IV 対象微生物による消毒薬の選択

8 感染症法の類別における微生物

6)新型インフルエンザ等感染症

新型インフルエンザ等感染症には、新型インフルエンザ及び再興型インフルエンザが指定されている。感染症例には第2種(ないし第1種、特定)感染症指定医療機関への入院が知事より勧告されうるが、緊急時などやむを得ない場合にはその他の医療機関への入院が勧告される場合もある。

(1)新型インフルエンザ

病原体: 新たにヒトからヒトに伝染する能力を有することとなったインフルエンザウイルス
感染対策: 標準予防策、接触予防策、飛沫予防策、空気予防策
消毒法: エンベロープを有するウイルスを対象とする方法

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(2)再興型インフルエンザ

病原体: かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものが再興したインフルエンザウイルス
感染対策: 標準予防策、接触予防策、飛沫予防策、空気予防策
消毒法: エンベロープを有するウイルスを対象とする方法

一般に新型インフルエンザとは動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスが人に感染し、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと効率よく感染できるようになったものが感染して起こる疾患。ほとんどの人が免疫を持っていないことから容易に人から人へ感染して広がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性が指摘されている。これを受け2008年5月2日に公布された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律」では感染症の新しい類型として「新型インフルエンザ等感染症」が追加され、これには「新型インフルエンザ」及び「再興型インフルエンザ」が指定されている。

2009年4月にメキシコから初めて新型インフルエンザ(A/H1N1)の発生が報告され、国内では同年5月に患者発生報告がなされた。発生した新型インフルエンザは当初、発現の可能性が危惧されていた強毒型の鳥インフルエンザA/H5N1ではなく、弱毒型と考えられるブタ由来のA/H1N1であったことから、策定されていた強毒性の鳥インフルエンザを想定した厳重な行動計画から地域の実情に応じた柔軟な対応を行う方向に転換して実施された377)。2009年8月には医療機関における感染対策として季節性インフルエンザと同様、標準予防策に飛沫予防策を適応し、咳エチケットを励行することが示され、エアロゾルを産生するリスクのある手技を行う場合にはN95マスクまたはそれ以上の性能の呼吸器防護具、眼の防護(ゴーグルまたはフェイスシールド)を着用するなどの推奨される感染対策が示された378)

なお、新型インフルエンザ(A/H1N1)は2011年4月1日から通常の季節性インフルエンザとして取り扱われ、名称を「インフルエンザ(H1N1)2009」とすることとされた。

その後、新型インフルエンザ対策の実効性を確保するための法的整備が行われ、新型インフルエンザ等に対する対策の強化、国民の生命および健康の保護、国民の生活および経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とした「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が制定され、平成25年4月13日に施行された379)。また、平成23年9月20日に公開されていた「新型インフルエンザ対策行動計画」380)を改定した「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」が平成25年6月7日に公開され、この政府行動計画に基づいた具体的な内容を取りまとめた「新型インフルエンザ対策ガイドライン」も平成25年6月26日に公開されている381、382)

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