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V 各種消毒薬の特性

3 高水準消毒薬

2)その他の高水準消毒薬

(1)過酢酸3~5、67、68)

芽胞を含むすべての微生物に有効な消毒薬である。0.2%液はグルタラールより短時間で芽胞を減少させ、50~56℃であれば12分で殺滅する59)。過酢酸は酢酸、過酸化水素との平衡混合物であり、酢酸、過酸化水素、水、酸素に分解するため環境に対して害が少ない。過酢酸の作用機序はほとんど知られていないが、他の酸化剤とほぼ同じであると考えられている。国内では6%過酢酸が市販されており、0.3%にまで希釈して使用する。主に専用の自動洗浄器を利用して内視鏡の消毒に使用されている。また、透析機器の消毒などにも使用されている。有機物の存在下においても不活性化が少なく、低温においても芽胞に対して効果がある。殺菌力はpHに依存しpHが低いほうが殺菌力を発揮する。
しかし、銅、真鍮、青銅、純鉄、亜鉛メッキ鉄板などを腐食しやすい。希釈した液は加水分解しやすく、1%溶液は6日間で濃度が半分に低下する。

短所として刺激臭があり、蒸気は眼・呼吸器等の粘膜を、原液は皮膚を刺激する。したがって、取り扱い時には換気をしてマスク、ゴーグル、手袋、ガウン等を着用する必要がある。

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(2)過酸化水素1、3~5、67)

高濃度の過酸化水素はグルタラールにほぼ匹敵する殺菌効果と抗微生物スペクトルを持ち、欧米においては、6%以上の安定化過酸化水素が眼圧計、ベンチレーター、軟性内視鏡など医療機器の高水準消毒に利用されている。7.5%製剤は20℃30分で高水準消毒を達成し、20℃6時間で芽胞を殺滅する59)(オキシドールは過酸化水素を含むが2.5~3.5w/v%であり、詳細は、4その他の消毒薬2)オキシドール参照)。なお、過酸化水素ガスをプラズマ化して低温滅菌を行う装置が国内でも市販されており、過酸化水素の蒸気を利用した高温滅菌装置も2009年10月に製造販売承認された。

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(3)二酸化塩素5、40、69、70)

二酸化塩素は芽胞を含むすべての微生物に有効な塩素系化合物である。微生 物に対する作用機序は明確でないが、蛋白変性などが考えられている。英国では経鼻内視鏡や軟性膀胱鏡などに高水準消毒薬として使用されているが71、72)、米国FDAは高水準消毒薬として認可していない。また日本においても医薬品としては承認されておらず、主にパルプの漂白や除菌用品などとして使用されている73)

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