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EURO Update
欧州(Eurosurveillanceより)
2016/02/25

性交渉による感染と思われるジカ熱の症例ー2014年イタリア、フィレンツェ

Eurosurveillance, Volume 21, Issue 8, 25 February 2016

AN AUTOCHTHONOUS CASE OF ZIKA DUE TO POSSIBLE SEXUAL TRANSMISSION, FLORENCE, ITALY, 2014
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=21395

タイからイタリア、フィレンツェへ帰国した患者から性交渉によって第二の患者へと感染したと思われるジカウイルス感染についてレポートする。
感染が発生したのは2014年であったが、保存血清検体の血清学検査によって遡及的診断が下されたのは2016年であった。
2014年5月にタイからフィレンツェに帰国した30代の男性(患者1)に、帰国翌日、発熱、結膜炎、眼球後部痛を伴う前頭痛と共に、顔、胴、腕、脚に融合性斑点球状疹といった症状が現れた。4日後、患者1は入院した。血清検査の結果、過去に麻疹とパルボウイルスに感染しており、HIV陰性、デングウイルス(DENV)IgM陽性、DENV IgGとDENV NS1 Ag陰性であることが判明した。症状は短期間で改善され、DENV感染の疑いで入院していた患者1は9日で退院した。
患者1の退院から19日後、彼の20代後半のガールフレンド(患者2)に、両手首を含む広範性の痛み、両手指の浮腫、顔、胴、腕、脚の融合性斑点球状疹という症状が現れた。患者2には、熱帯地域への渡航歴は無かった。血液検査の結果、患者2は、コクサッキーA、コクサッキーB、DENV (IgG, IgM and NS1 Ag)については血清反応陰性である一方で、エコーウイルスとサイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、パルボウイルス、風疹に対する抗体IgGを保有してした。血清検査では、DENV IgGはわずかに陽性、IgMとNS1Agについては一貫して陰性であった。
ZIKVに関するプラック減数中和試験(PRNT)が可能になったため、2016年2月、保存されていた患者1、2の検体を再検査したところ、ジカウイルス(ZIKV)に対する中和抗体が検出された。
調査の結果、性交渉によるZIKV感染は起こりうるという更なるエビデンスが提示された。性交渉による感染の可能性や、流行地域と非流行地域においてZIKV2次感染経路が生じる際の性交渉の役割を探るために、更なる研究が必要である。
<訳註>
厚生労働省のジカウイルス感染症に関するQ&Aや感染を疑う症例の要件、届出の基準等は厚生労働省のウェブサイト「ジカウイルス感染症について」からご覧になれます。
Eurosurveillance:2016.02.25/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd:2016.03.02

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