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EURO Update
欧州(Eurosurveillanceより)
2016/07/14

汚染された気管支鏡の吸引バルブが関連した緑膿菌とStenotrophomonas maltophiliaによる肺感染のアウトブレイク-フランス、リヨン、2014年

Eurosurveillance, Volume 21, Issue 28, 14 July 2016

OUTBREAK OF PULMONARY PSEUDOMONAS AERUGINOSAAND STENOTROPHOMONAS MALTOPHILIA INFECTIONS RELATED TO CONTAMINATED BRONCHOSCOPE SUCTION VALVES, LYON, FRANCE, 2014
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=22530

2014年4月、フランス、リヨンにある大学病院の集中治療室で、気管支鏡検査との関連が考えられる緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)とStenotrophomonas maltophiliaS. maltophilia)による肺の共感染が確認された。2013年12月1日から2014年6月17日までに気管支鏡への曝露があった157人の患者の後ろ向きコホート研究に関する分析が実施された。また、気管支鏡の消毒の見直しも実施された。その結果、緑膿菌とS. maltophiliaの肺への共感染が10例確認され、そのうち2例は二次性肺炎 を発症していた。10例中8例が気管支鏡A1との関連があり、2例がA2と関連していた。吸引バルブから検出された検体は、緑膿菌とS. maltophiliaに対し陽性であった。気管支鏡A1とA2への曝露は、それぞれに共感染の増加リスクを伴っていた。吸引バルブと臨床検体からの分離株には同一のpulsotypesを示した。調査によって、内視鏡の消毒が不十分であることが分かった。感染の原因となったと思われる気管支鏡の使用を中止し、洗浄手順を変えて以降、感染は確認されていない。この緑膿菌とS. maltophiliaの共感染は、同じメーカーが製造する2つの気管支鏡の吸引バルブが汚染していたことによるものであった。この調査により、定期的な細菌チェックのためには、気管支鏡のチャンネルに加えて吸引バルブの検査が必要であることが明確となった。
<訳註>
Pseudomonas属やStenotrophomonas属などのブドウ糖発酵グラム陰性桿菌については、Y’s Letter No.29 親水性のグラム陰性菌についてをご参照ください。

Eurosurveillance:2016.07.14/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd:2016.12.20

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