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EURO Update
欧州(Eurosurveillanceより)
2016/10/20

直腸定着症例の多い長期療養施設における、高度に長期定着する大腸菌O25:ST131と他の基質特異性拡張型βラクタマーゼ産出大腸菌の比較-オランダ、2013年から2014年

Eurosurveillance October 20, 2016, Volume 21, Issue 42

PROLONGED COLONISATION WITH ESCHERICHIA COLI O25:ST131 VERSUS OTHER EXTENDED-SPECTRUM BETA-LACTAMASE-PRODUCING E. COLI IN A LONG-TERM CARE FACILITY WITH HIGH ENDEMIC LEVEL OF RECTAL COLONISATION, THE NETHERLANDS, 2013 TO 2014
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=22617

基質特異性拡張型Βラクタマーゼ産出大腸菌クローンST131(The extended-spectrum beta-lactamase (ESBL)-producing Escherichia coli clone ST131(ESBL-ST131))の医療環境での蔓延は世界的に発生している。ここまでの蔓延が発生した理由は明らかになっていないが、伝播力がより効率的になったこと、あるいは持続性がより強くなったことが関連していると思われる。我々は、ESBL産出大腸菌(ESBL-producing E. coli(ESBL-EC))の直腸定着症例が著しく多い長期療養施設において、ESBL-ST131を含むESBL-ECの定着過程を評価した。14カ月の間に6回の罹患率調査が繰り返し行われたが、その間、296人の入所者から選択培養法を使用した直腸もしくは便からの検体が提出された。伝播率、増殖数、保菌持続期間について、ESBL-ST131とその他のESBL-EC を比較した。更に、長期療養施設でESBL-ST131が消滅するまでにかかると思われる時間の算定も行った。伝播率は同程度であったにもかかわらず、時間の経過とともに他のESBL-ECの定着率が低いレベルに戻ったのに対して、ESBL-ST131の定着率レベルは増加し続けた。生存時間解析によると、他のESBL-EC の半減期は2カ月から3カ月であるのに対し、ESBL-ST131の半減期は13ヵ月であることが分かった。入院1例ごとの増殖数は、他のESBL-ECが0.56であったのに対し、ESBL-ST131は0.66となっており、それによって現在の状況で3年から4年の間でESBL-ST131が長期療養施設から消滅する平均時間が推測される。ESBL-ST131と他のESBL-EC の伝播率は同程度である。長引く直腸の保菌は、長期療養施設でのESBL-ST131の持続性の長さを示している。
<訳註>
大腸菌については、消毒薬テキスト 2 一般細菌 (2)その他のグラム陰性菌①大腸菌をご参照ください。

Eurosurveillance:2016.10.20/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd:2016.12.20

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