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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.21 No.3 2016

ランダム化比較試験:帝王切開による手術部位感染の低減を目的としたクロルヘキシジンおよびポビドンヨードを用いた皮膚消毒の有効性と安全性

Salama FA, Yehia AH, Wahba KA, et al.
Efficacy and safety of chlorhexidine versus povidone-iodine skin antisepsis in reducing surgical site infection in cesarean sections: a randomized, controlled clinical trial.
Evidence Based Women’s Health Journal 2016;6(1):32-36.

近年、帝王切開による分娩が著しく増加している。手術部位感染(SSI)低減のため、術前皮膚消毒にはポビドンヨードやクロルヘキシジン含有消毒薬が使用されるが、使用する消毒薬の種類による帝王切開分娩後のSSI発生率への影響は明らかにされていない。本研究では、帝王切開患者を対象として、SSI低減のための術前皮膚処置としてクロルヘキシジン含有消毒薬またはポビドンヨード含有消毒薬を使用した際の有効性および安全性を比較した。
 試験はランダム化比較試験とし、エジプトのカイロにあるAin Shams university Maternity HospitalおよびManshiet El-Bakry General Hospitalにて、予定帝王切開または緊急帝王切開を行った390名の患者を対象として実施した。対象患者は、試験群(クロルヘキシジン+70%アルコールで術前皮膚消毒を行う患者)と、対照群(ポビドンヨード+70%アルコールで術前皮膚消毒を行う患者)の2群に無作為に割り付けた。主要アウトカムは、術後1週間以内のSSIとした。副次的アウトカムは、術後8~30日までのSSI、アレルギー反応、術後の緊急治療室への再入院、5日を超える長期入院、発熱性疾患罹患率、子宮内膜炎、二次性分娩後出血、皮膚処置前後の皮膚除菌率とした。
 SSIの発生率は、術後3~7日において、ポビドンヨードを用いた対照群の方が、クロルヘキシジンを用いた試験群よりも有意に高かった(対照群10.8%、試験群3.6%、p =0.006)。皮膚除菌効果は、皮膚培養の結果より、クロルヘキシジンを用いた試験群の方が、ポビドンヨードを用いた対照群よりも有意に高かった(試験群5.1%、対照群12.9%、p =0.007)。
 帝王切開分娩を受ける患者の術前皮膚処置として用いるクロルヘキシジン含有消毒薬は、ポビドンヨード含有消毒薬と同等の安全性を有し、さらにSSIの発生率を低減させるのに効果的であることが確認された。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.21 No.3 p8-10 2016

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