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US Update
アメリカ(CDC-MMWRより)
2016/05/13

現場からの報告: 急性期病院で臓器移植を受けた患者の間で発生した、ムコール症可能性症例-ペンシルベニア州、2014年から2015年

MMWR, Weekly / May 13, 2016 / 65(18);481–482

Notes from the Field:Probable Mucormycosis Among Adult Solid Organ Transplant Recipients at an Acute Care Hospital — Pennsylvania, 2014–2015
http://www.cdc.gov/mmwr/volumes/65/wr/mm6518a5.htm?s_cid=mm6518a5_w

2015年9月17日、ペンシルベニア州保険局(Pennsylvania Department of Health :PADOH)は、12ヵ月間にA病院で臓器移植を受けた患者にムコール症の医療関連感染の可能性症例が3例発生したとCDCに報告した。9月18日には、B病院からも臓器移植患者のムコール症感染例が確認されたとの報告があった。A病院とB病院は同じ系列の病院で、建物が歩道橋でつながっている。PADOHはCDCに対して、推定される感染源の発見と更なる感染の予防のために現場での調査を依頼。9月22日に調査が開始された。
ムコール症の医療関連感染の可能性症例である3人の患者は、移植手術の前後に、A病院で、20床ある心臓外科集中治療病棟(CTICU)の同じ病室(A病室)に14日から58日間入院し、ムコール症と診断された。病室AはCTICUで唯一の減圧隔離室で、じゅうたん敷きの廊下と見舞客用の部屋へつながるドアに隣接していた。スタッフや見舞客がこのドアを頻繁に使用したことで気流が妨げられ、空気中にほこりやカビの胞子が存在した場合にはそれらが室内に流入したと考えられる。ムコール症の医療関連感染の疑い例とされた患者は、病室Aもしくは陰圧室は使用していない。
A病院B病院共に、現在は、特に必要性が認められない限り臓器移植患者を陰圧室へ入院させないようにしている。
陰圧室は、空気感染する病気に感染している、もしくは感染の疑いがある患者を隔離する際には使用が勧められる。この調査によって、易感染性の患者を不必要に陰圧室へ入れることが危険を招くという状況がどのように生じるか明らかになり、それゆえに、そのような処置は行うべきでないということがわかった。
<訳註>
糸状菌については消毒薬テキストの糸状菌をご覧ください。

MMWR:2016.05.13/ Yoshida Pharmaceutical Co Ltd:2016.12.20

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